日本銀行が2020年1月23日に発表した最新の「主要銀行貸出動向アンケート調査」により、私たちの暮らしを取り巻くお金の動きに大きな変化が起きていることが明らかになりました。2019年10月から2019年12月における個人の「資金需要判断指数(DI)」がマイナス11を記録し、なんと約10年ぶりの低水準へと落ち込んだのです。
ここで登場する「DI」とは、資金の需要が「増えた」と回答した金融機関の割合から「減った」と答えた割合を差し引いた指標のことで、世間のお金の必要性を測るバロメーターとなります。前回の調査ではプラス8だったこの数値が19ポイントも急落した背景には、2019年10月1日の消費税率引き上げに伴う、駆け込み需要の反動減が色濃く影響していると考えられます。
SNS上では「増税後に買い物を控えるようになったのは自分だけではなかった」「ローンを組んでまで大きな買い物をする気になれない」といった共感の声が相次いでおり、市民のリアルな節約志向が浮き彫りになりました。しかし、2014年の増税時と比較すると今回の落ち込み幅は緩やかであり、政府によるキャッシュバックなどの緩和策が一定の効果を発揮したと言えるでしょう。
一方で、企業向けの資金需要DIはプラス2を維持しており、前回のプラス3からわずかな減少にとどまったのは注目すべき点です。これは、個人消費が冷え込む中でも、企業の設備投資や事業資金への意欲が根強く残っていることを示しています。個人マネーの動きは鈍いものの、ビジネスの現場ではまだ前向きな姿勢が維持されている模様です。
私は、この個人DIの冷え込みを一時的な反動として楽観視すべきではないと考えています。給与が劇的に上がらない中で増税が実施されたため、生活防衛意識が高まるのは当然の帰結です。企業がどれだけ投資を続けても、最終的な消費者が財布を閉ざしてしまっては景気の循環が滞るため、今後はより直接的に家計を温める経済政策が強く求められるのではないでしょうか。
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