【NEC会長が語る】人生有限だからこそ価値を生む!愛と未来への貢献を考える

私たち人間は、この世に生を受けた瞬間から、限りある時間を歩み始めます。地球上の動植物すべての命が有限であるように、人間の遺伝子の中にも「終わり」が組み込まれているのです。しかし、この事実を決して悲観的に捉える必要はありません。むしろ、人生が有限であるからこそ、私たちはその一瞬一瞬を大切にし、自らの人生を最大限に充実させようと努力するのではないでしょうか。

この懸命な努力の結果として、私たちは新たな価値を創造し、それが人間社会への貢献となり、大きな進化をもたらします。例えば、一世代を20年と仮定すると、土偶が作られていた時代からこれまで、およそ300回の世代交代があったとされています。人生に終わりがあるからこそ世代は交代し、過去の慣習や歴史にとらわれず、新しい挑戦が生まれるのです。この有限性こそが、ときには非連続的、すなわちこれまでの流れとは全く異なる大きな進化を生み出す可能性を秘めている、というのが私の考えです。

有限な人生の中で私たちが大切にすべきもの、それは「愛」でしょう。かの有名な作家サン=テグジュペリは、「愛とは、互いに見つめあうことではなく、ともに同じ方向を見つめることである」という、示唆に富んだ言葉を残しています。二人の人間が将来に対して同じ方向性を見いだし、それを共有できた時、私たちはそれを真の愛と呼べるのかもしれません。この有限な時間の中で、未来に対する同じ道筋を見つけ、共有できたときに、それはゆるぎない「愛」となるはずです。そう考えると、自分の子や孫は、まさに見つめるべき同じ方向であり、子々孫々へと続く思いもまた、一つの大きな愛の形であると言えるでしょう。

この考え方は、会社、国家、さらには世界という大きな枠組みにも当てはまるのではないでしょうか。今を生きる私たちは、100年後にはこの世にいません。それでも、自分たちが去った100年後の会社が力強く活躍している姿、国のさらなる繁栄、そして人間社会の幸福を心から願うこと、そしてその願いを皆が共有すること。それこそが、会社に対する愛、国への愛、そして人類全体への愛へと繋がっていくのだと、私は確信しています。

人生は有限であるという事実を一人ひとりが意識すること、それこそが人生をより豊かにするカギです。私自身、日本電気(NEC)の会長という立場を通じて、この有限な時間の中で最大限の価値創造と未来への貢献を目指しています。この度の連載は、2019年6月24日をもって最終回となりますが、半年間にわたり皆様とお付き合いできたことに心から感謝申し上げます。読者の皆様の人生が、愛と価値創造に満ちたものになることを願ってやみません。

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