外食業界を取り巻く環境は、人手不足に伴う人件費の急騰や原材料費の値上がりなどにより、非常に厳しい局面を迎えています。人口減少が進むこれからの時代、ただ待っているだけでは市場の拡大は見込めず、顧客のニーズを捉えられない企業は生き残ることができません。こうした現状に対して、和食麺処サガミなどを展開するサガミホールディングスの伊藤修二社長は、強い危機感を募らせています。
打開策の鍵を握るのが、2019年7月に行われた本社移転です。従来は別々の場所にあったメニューを考案する部署と、経営を担う管理部門を一つの拠点に集約させました。この組織改革によって社内の連携が劇的にスムーズになり、期間限定メニューを完成させるまでの期間が大幅に短縮されるという素晴らしい成果がすでに現れ始めています。
この迅速な開発体制から、これまでになかった「リンゴのガレット」というフランスの伝統的な薄型ケーキを模したデザートなど、女性層を意識した魅力的な商品が続々と誕生しています。専門的な調理技術や独自のアイデアを融合させる部門間交流が活発化したことで、今後はさらに新しい味覚がスピーディーに店頭へ並ぶことでしょう。SNS上でも「サガミにガレットがあるなんて驚き」「女子会でも使えそう」といった好意的な反響が広がっています。
2019年10月の消費税増税による顧客の減少が心配されていましたが、実際の客足は予想よりもかなり堅調に推移しています。同年の10月は大型台風の上陸による一時的な落ち込みが見られたものの、翌月の11月には消費者の強い支持に支えられて見事に業績が回復しました。このような底堅い需要があるからこそ、次の一手への期待が高まります。
深刻化する労働力不足を克服するため、同社は最先端の機械設備の導入を積極的に推進する方針です。調理プロセスの一部を自動化するだけでなく、食後の食器を片付ける「下げ膳」の作業もロボット等で自動化できると見込んでいます。これにより従業員の負担が軽減され、人間だからこそできる温かい接客サービスに、より多くの時間を割くことが可能になるはずです。
筆者の視点として、今回のサガミホールディングスの改革は、伝統的な和食チェーンのイメージを覆す非常に革新的な挑戦であると感じます。業務の効率化と女性顧客の新規開拓を同時に進める姿勢は、まさに時代の潮流を捉えており、機械化によるサービス品質の向上が外食産業の新たな標準モデルになることを切に願っています。
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