GAFAを狙うデジタル課税とは?米国との対立で勃発する世界「課税戦争」の危機

世界中で急速に普及するITビジネスですが、いま国際社会では巨大デジタル企業への税金の集め方を巡り、激しい嵐が吹き荒れています。経済協力開発機構(OECD)を中心に、135の国や地域が2020年中の最終合意を目指して新しい国際ルールの構築を進めているのです。しかし、各国それぞれの思惑が複雑に絡み合っており、その先行きは決して楽観視できる状態ではありません。

この問題の背景には、物理的な拠点がなくても莫大な利益を上げられるIT企業に対して、従来の法律では十分に課税できないという不条理が存在します。そこで多くの国々が、デジタル企業の売上高に直接税金をかける「デジタルサービス税(DST)」という独自の仕組みを導入し始めました。SNS上でも「巨大IT企業が利益を上げている国に適正に納税すべきだ」と、この動きを支持する声が数多く上がっています。

スポンサーリンク

米国の猛反発と世界に広がる独自課税の動き

すでにデジタルサービス税の導入を検討、あるいは開始している国は40カ国近くにのぼります。いち早く導入を決めたフランスは、自国の有力企業を狙い撃ちされたと憤る米国から報復関税を警告され、一時的に適用を猶予せざるを得なくなりました。それでもなお、英国やイタリア、トルコなどでは法制化の手続きが着実に進められており、独自の課税網は世界へ拡大し続けています。

本来このデジタルサービス税は、国際的な新ルールが決まるまでの「一時的なつなぎ」として認められた合法的な手段です。しかし、自国の巨大IT企業を守りたいトランプ政権は不信感を募らせており、フランスに続いてイタリアやトルコにも貿易上の報復をちらつかせて圧力を強めています。デジタル企業の覇権を握る米国と、地元の利益を守りたい各国の間で、激しい神経戦が展開されているのです。

編集部が見る「100年ぶりの大改革」への分かれ道

私たちは今、およそ1世紀もの間続いてきた国際課税の歴史的な転換点に立ち会っていると言えるでしょう。各国の足並みが乱れて議論が空中分解すれば、世界は歯止めの利かない「課税戦争」へと突入しかねません。報復に関税が使われれば、最終的に不利益を被るのは一般の消費者や関係のない他産業の企業です。目先の利益にとらわれず、全会一致で公平な新秩序を作り上げることが強く求められています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました