社員YouTuberが企業を救う?内製動画でファンを増やす最先端の採用・ブランディング戦略とは

最近、企業の新しい情報発信のカタチとして「動画配信」が熱い視線を集めています。といっても、テレビCMのような巨額の費用を投じた宣伝動画ではありません。画面の向こうで汗をかきながら自社の魅力を語るのは、なんとその会社で働く本物の社員たちなのです。制作会社に頼らず、ありのままの社風やスタッフの素顔を伝えるこの手法は、企業のファン作りに大きく貢献しています。SNS上でも「社員さんの人柄が見えて親近感がわく」「就職活動の参考になる」と、好意的な意見が続々と寄せられている状況です。

就職や転職の支援を手掛ける株式会社UZUZでは、2017年から動画投稿サイトでの発信をスタートさせました。初期費用はカメラや照明などの機材代として15万円ほどで、編集もすべて自社で行っています。配信内容は業界分析や面接対策といった真面目なテーマですが、社員が親しみやすいキャラクターで解説するスタイルが人気を呼びました。その結果、2020年1月20日時点で登録者数は8000人を超え、今や新規登録者の1割が動画をきっかけに同社のサービスを訪れるという驚きの効果を生み出しています。

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採用ブランディングの新常識!社内報の枠を超えたタレント化計画

ここで注目したいキーワードが「採用ブランディング」です。これは、求職者に対して自社を魅力的な就職先として印象づけるための企業戦略を意味します。人材サービスのエン・ジャパン株式会社では、広報担当者がユーモアたっぷりに同僚の仕事ぶりを紹介する動画を配信し、堅実なイメージの中に隠れた柔軟な社風をアピールしています。スマートフォンだけで撮影しているためコストは実質ゼロですが、動画で活躍する社員をアイドル的な人気者に育てる「タレント化計画」まで視野に入れているそうです。

求職者がネットで入念に社内の雰囲気を調べる現代において、作り込まれたPRビデオよりも、泥臭くも楽しそうな社員の生の声の方が心に響くのは当然の流れと言えます。さらに、ユニークな取り組みで話題なのがタクシー会社の三和交通です。こちらは一転して、激辛商品を食べるなどのエンタメ系企画に挑戦しており、そのギャップがテレビ番組に取り上げられるほどの反響を呼びました。SNSではすでに出演社員にファンがついており、企業の認知度アップに大きく貢献しています。

地道な発信が未来を創る!SNSの「中の人」に続く動画マーケティング

若者のテレビ離れが進む中、特に10代のネット動画視聴時間は急速に伸びています。専門家によると、若い世代は学びの場としても動画を活用しているため、企業が持つ専門知識やノウハウを伝える「知識系コンテンツ」は非常に相性が良いとのことです。ビジネスの裏付けがある確かな情報は、視聴者にとって邪魔な広告ではなく、価値ある学びとして受け入れられます。実際に、高級中古車販売店が社員による試乗レポートを配信し、15万人以上の登録者を獲得している成功例も存在します。

私は、この社員YouTuberのトレンドこそ、かつて企業の公式SNSで親しまれた「中の人」の進化系であると考えています。飾り気のないキャラクターで地道にユーザーと交流し、ファンを増やしたTwitter(現X)の成功法則が、そのまま動画の世界にシフトしているのです。動画の成果が出るまでには半年から1年といった長い我慢の時期が必要ですが、企業色を出しすぎずに視聴者の役に立つ映像を届け続ければ、必ず強力なファンコミュニティが形成されるでしょう。今後の企業成長の鍵は、社員の「発信力」が握っています。

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