大学入試センター試験終了で大混乱?共通テスト直前の英語民間試験見送りが浮き彫りにした「失敗の本質」と今後の教育改革

長年親しまれてきた大学入試センター試験が、2020年1月19日をもってついに幕を閉じました。2021年からは新たに「大学入学共通テスト」へと移行する予定ですが、導入間際になって英語の民間試験活用や国語などの記述式問題が見送られ、教育現場には大きな動揺が広がっています。この異例の事態に対し、SNS上では「受験生が振り回されすぎてかわいそう」「直前の変更は無責任だ」といった、不安や文部科学省への不満の声が数多く噴出している状況です。

そもそも今回の入試改革が目指したのは、国際社会で活躍できる人材の育成でした。従来の「読む」「聞く」という2つの技能だけでなく、「話す」「書く」を加えた「英語4技能」を総合的に評価するため、ノウハウを持つ民間試験の導入を決めたのです。これは「試験の仕組みを変えることで、高校までの教育そのものを変革しよう」という強い狙いがありました。しかし、結果としてこの方針が、現場の教員や受験生を大きく混乱させる原因となってしまったと考えられます。

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見送られた民間試験の課題と受験生の格差問題

なぜ、直前での見送りという事態に陥ったのでしょうか。民間試験と一口に言っても、ビジネス向けから留学向けまで目的は多様であり、出題範囲が国の定める「学習指導要領(教育内容の基準)」と一致しないという課題がありました。さらに、学校側で「話す」「書く」を指導できる体制が十分に整っていなかったことも事実です。また、試験会場が都市部に集中することによる地方在住者の負担や、高額な受験料がもたらす「経済格差」への批判も強まり、公平性が保てないとして頓挫しました。

このような制度の不備を突くように、民間教育企業などの受験産業が対策講座を打ち出して生徒を勧誘する動きも見られ、教育のあり方が商業主義に傾く懸念も生じています。これら一連の騒動を受け、2020年1月には文部科学省による新たな検討会議が始まり、非公開だった政策決定プロセスの検証が進められることになりました。入試という極めて重要なシステムを再設計するにあたり、何が間違っていたのかを徹底的に洗い流すことが、今まさに求められているでしょう。

文部科学省の組織的課題とこれからの入試が歩むべき道

ここ数年、文部科学省では天下り問題や汚職事件によって幹部が相次いで更迭(役職をクビにすること)され、組織の弱体化が指摘されてきました。その結果、政治主導の改革方針に対して学校現場から懸念の声が上がっても、それに向き合わず「結論ありき」で突き進んでしまった印象が否めません。私は、これこそが今回の失敗の本質であると考えます。現場の声を無視したトップダウンの改革は、必ずどこかで綻びが出るものです。

文部科学省が自らの意思決定のプロセスを真摯に総括しないまま、今後のあり方を有識者会議の議論に丸投げするような姿勢は、極めて無責任であると言わざるを得ません。「入試で教育を変える」という理念自体は決して悪くありませんが、それが受験生に不利益をもたらしては本末転倒です。今後は、理想論だけではなく、すべての受験生が平等に挑戦できる環境づくりを最優先にした、持続可能な入試制度の構築を強く望みます。

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