安川電機のDX革命!デジタル経営と「i3メカトロニクス」で次世代のものづくりを先導する老舗企業の挑戦

2020年を「YDX(安川デジタル・トランスフォーメーション)元年」にすると、安川電機の小笠原浩社長が力強く宣言しました。世間ではDX(デジタルトランスフォーメーション:データとデジタル技術でビジネスや組織を変革すること)という言葉が飛び交っています。しかし、経営レベルにまでこの技術を落とし込めている企業はまだ少ないのが現状です。そこで同社は、真のデジタル経営の確立に向けて舵を切りました。

SNSでは「老舗の製造業がここまで本気でデジタル化を進めるのは凄まじい」「決算を1週間で出すという目標の高さに経営陣の本気度を感じる」といった、驚きと期待の声が多数寄せられています。この改革の核心にあるのが、約30カ国に広がるグループ拠点の会計データ統合です。これまで各拠点の商慣習や設立時期の違いから困難だった収支の即時集計を可能にし、リアルタイムのデータに基づく迅速な経営判断を目指しています。

2017年10月には同社の時価総額が初めて1兆円を突破し、2018年からは決算期を2月に前倒ししました。これにより、株式市場では「設備投資の先行指標」として注目度がさらに高まっています。こうしたプレッシャーのなかで、デジタル経営は確かな解となるでしょう。また、組織の縦割りを排すべく、2018年には営業本部を設立して地域別の体制へと移行しました。顧客の課題を深く捉えて利益を生み出す「提案営業」への転換を進めています。

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エッジ技術と「i3メカトロニクス」がもたらす製造業の新潮流

生産現場の変革として見逃せないのが、次世代の生産支援サービス「i3(アイキューブ)メカトロニクス」です。これは同社の強みであるモーター技術を活かし、センサーを大量に配置しなくても、モーター自体の動きから稼働データを読み取る仕組みを指します。このように、ネットワークの末端にある機器(現場のデバイスなど)の側でデータを分散処理する技術を「エッジ技術」と呼び、通信の遅延を防ぎリアルタイムな制御を可能にします。

2018年12月には埼玉県入間市で「安川ソリューションファクトリ」が本格稼働しました。さらに、2021年春には本社に研究開発拠点「安川テクノロジーセンタ」が立ち上がる予定です。これにより、販売と生産、そして技術の再編ゴールがはっきりと見えてきました。これまで黒子として製造業を支えてきた安川電機ですが、今や新しいものづくりを先導する主役に躍り出ようとしています。

製造業のデータ基盤を巡っては、ファナックや三菱電機などの競合がしのぎを削っています。そのなかで、安川電機が現場発の制御技術でどれだけ高い生産効率とコスト競争力を示せるかが、今後の「稼ぐ力」を左右するでしょう。これまでの伝統に甘んじることなく、若手や女性の登用、高専門学校生の採用強化など、人づくりにも挑戦し続ける同社の姿勢を私は強く支持します。種は蒔かれました。あとはこの大改革がどのような大輪の果実を実らせるのか、世界中が注目しています。

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