景気の変動を受けやすく、常に時代に合わせた変化が求められる建設業界。大手ゼネコンのなかでも、特に建築事業の割合が高い清水建設の井上和幸社長が、攻めの姿勢を見せています。同社は5カ年で合計7500億円という巨額の投資計画を掲げており、その動向がビジネスパーソンの間で大きな話題を呼んでいるのです。ネット上でも「これほどの規模の変革は熱い」「建設会社の枠を超えた動きに注目したい」といった期待の声が続々と上がっています。
井上社長は、長期ビジョンと中期経営計画の2年目を迎えるにあたり、挑戦を具体的な成果へ結びつける決意を語りました。注力するのはロボットや技術開発への投資、そして何よりも大きな割合を占める不動産投資です。国内外でリノベーションによる価値向上後の売却や、リフォームによる賃貸物件の保有を推進する方針を打ち出しています。これに対しSNSでは「リノベや賃貸へのシフトは手堅い戦略」と評価する書き込みが見られました。
ターゲットとして定めているのは、経済成長が著しい東南アジアの市場です。平均して2割から3割という高い利益率を狙うとともに、状況に応じて米国などでの物件取得にも柔軟に挑戦していくといいます。こうしたグローバルな非建設事業の拡大こそが、今後の持続的な成長の鍵を握るのでしょう。一方で、建物の価値を一生涯にわたって高め続けるLCV(ライフサイクルバリュエーション)事業などを支える専門人材の不足が、現在の課題となっています。
この課題を解決するため、同社は東京の潮見にイノベーションセンターを設立し、事業マインドを持つ人材の育成に乗り出します。米国シリコンバレーへの研修派遣や高度なスキルを持つ中途採用など、新しい人材開発へ惜しみなく資金を投入する構えです。また、再生可能エネルギーとして期待される洋上風力発電の工事に用いる「SEP船(自己昇降式作業台船)」の建造にも500億円を投じており、海外の投資家からも高い関心を集めています。
清水建設が推進するこの大胆な変革は、単なる建設業からの脱却ではなく、未来を見据えた極めて合理的な生存戦略であると私は考えます。特に人材投資や環境分野への巨額投資は、長期的な企業価値を確実に高めるはずです。高額なSEP船の維持費に対する懸念の声も一部にはありますが、再生可能エネルギーの需要拡大の波を捉えれば、十分なリターンが見込めるでしょう。同社が描く新しいビジネスモデルの完成が、今から非常に楽しみです。
コメント