【新型肺炎】中国が団体旅行を禁止!インバウンド依存の関西経済や観光業への影響を徹底解説

中国湖北省武漢市を中心に広がっている新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受け、中国政府は海外への団体旅行を禁止する措置を講じました。この決定は、訪日外国人による消費行動、いわゆる「インバウンド」に支えられてきた関西の観光業界に、大きな激震を走らせています。ネット上でも「楽しみにしていた旅行が中止になった」「街から活気が消えてしまうのでは」といった悲痛な声が数多く飛び交っており、今後の動向に注目が集まっている状況です。

空の便では、格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションが関西国際空港と上海、香港を結ぶ路線を運行していますが、すでに旅客数の減少が見え始めています。さらに深刻なのは宿泊業です。大阪城近くのホテルニューオータニ大阪では、書き入れ時であるはずの「春節(中国の旧正月)」のタイミングで中国本土からのキャンセルが相次ぎました。また、難波駅近くのホテルでも欧米客を含めた取り消しが発生しており、関係者は一様に落胆の色を隠せません。

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百貨店やドラッグストアなど小売りへの波及

関西の主要な百貨店では、免税売上高の8割から9割を中国人客が占めており、その依存度は極めて高いのが現状です。2020年1月24日から2020年1月26日までの期間、高島屋大阪店やあべのハルカス近鉄本店では大きな落ち込みこそないものの、今後の渡航制限によるマイナス影響に身構えています。大阪市内で約70店舗を構えるココカラファインなどのドラッグストアも、現時点では例年通りの客数を維持していますが、団体旅行の禁止が長引けば大きな痛手となるでしょう。

観光地も苦境に立たされています。大阪城天守閣では2020年1月24日からの3日間で、入館者数が前年の同じ時期と比べて1割から2割ほど減少しました。日韓関係の冷え込みに続く今回の事態に、現場からは困惑の声が上がっています。また、京都の錦市場や大阪の黒門市場でも客足の減少が体感で2割から3割に達しており、通りを行き交う人の半数がマスク姿という異様な光景が広がっています。他方で、2月後半に長期休暇を控える東南アジアからの観光客に期待を寄せる声もあります。

関西経済を揺るがすインバウンド失速の懸念

今回の事態がこれほど深刻視される背景には、関西圏における中国市場への高い依存度があります。りそな総合研究所のデータによると、関西における訪日消費のうち中国人が占める割合は39%に達し、全国平均の34%を大きく上回っているのです。日銀大阪支店の過去の試算でも、インバウンド消費が地域経済全体の成長を力強く底上げしてきたことが証明されているだけに、今回の旅行禁止措置がもたらす経済的なインパクトは無視できないレベルに達する恐れがあります。

編集部の視点としては、特定の国やインバウンド需要だけに過度にしがみつく観光ビジネスの構造そのものが、大きなリスクを孕んでいたと感じざるを得ません。今回の危機を教訓として、国内旅行者の誘致や、東南アジアをはじめとする多角的な市場開拓へシフトする転換点にするべきでしょう。まずは感染拡大が1日も早く収束することを願うとともに、政府や自治体には、打撃を受けた地元の観光事業者に対する迅速かつ手厚い経営支援を強く求めたいところです。

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