カジュアル衣料品大手の「しまむら」が、大きな変革の舵を切りました。同社は2020年2月21日付で、鈴木誠取締役が新たな社長に昇格する人事を発表したのです。これまで前線を走ってきた北島常好社長は会長職に就きます。今回のトップ交代の背景には、格安を武器にする競合相手にお客を奪われている厳しい現状がありました。販売不振の責任を明確にし、経営体制を刷新することで、既存店の速やかな立て直しを図る狙いがあるようです。
しまむらはこれまで、出店費用を抑えられる郊外を中心とした店舗展開や、独自の仕入れ手法で圧倒的な低価格を実現してきました。しかし近年は、ファーストリテイリングが展開する「GU(ジーユー)」といった強力なライバルや、急成長を遂げるインターネット通販との間で激しいシェア争いが繰り広げられています。この競争に打ち勝つために打ち出した値引きの拡大や、取り扱い商品数の絞り込みといった対策が裏目に出てしまい、かえってお客が離れる結果を招いてしまいました。
2018年に就任した北島社長は、既存店の改装などを精力的に進めて業績の回復を試みました。しかし、その努力もむなしく、2019年12月には2020年2月期の連結純利益の予想を従来の234億円から161億円へと下方修正せざるを得ない状況に追い込まれたのです。これを受けてSNS上では「最近のしまむらは掘り出し物を探すワクワク感が減った」「トレンドに寄りすぎて強みが薄れた気がする」といった、愛用者からのリアルな声や厳しい指摘が相次いで投稿されました。
今後は1989年に入社し、現場を熟知している鈴木新社長のもとで、魅力的な売り場づくりや魅力ある新商品の開発に注力していく方針です。ここで言う「連結純利益」とは、親会社だけでなくグループ全体が稼いだ最終的な儲けを指します。筆者は、しまむらが再び輝きを取り戻すためには、単なる流行の追随ではなく、宝探しのようなお買い物体験という原点に立ち返ることが不可欠だと考えます。独自の仕入れ力を活かした、新体制の逆襲に大きな期待がかかります。
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