九州の経済が、世界的な逆風をはねのける力強い輝きを放っています。門司税関が2020年1月30日に発表した2019年の九州経済圏(九州7県と山口県、沖縄県)の貿易統計によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1兆8122億円の黒字を記録しました。これは前年と比較して15.8%もの大幅な増加となります。1979年の調査開始以来、歴代2位という極めて高い水準を叩き出しており、なんと5年連続で輸出額が輸入額を上回る「輸出超過」を維持している状況です。
世界的な景気減速の影が忍び寄る中、全体の輸出入額自体は3年ぶりに減少へと転じました。しかし、米国や中国へ向けた自動車の出荷が非常に好調だったことが、全体の数字を大きく押し上げています。日本全国の動きと比較しても、九州エリアの健闘ぶりは一際目立つ結果となりました。ネット上でも「九州の製造業は本当に底力がある」「車産業の集中が功を奏している」といった、地域の産業基盤の強さを称賛する声が数多く上がっており、SNSでの注目度も非常に高まっています。
ここで注目すべきは、輸出額の5.4%減(8兆5507億円)という逆風の中で過去最高を更新した自動車の存在でしょう。その輸出額は2兆2297億円に達し、前年比で1.1%の微増を記録しました。港別で見ると、トヨタ自動車九州の拠点に近い博多港が21%増の7769億円と急成長を遂げています。一方、日産自動車九州が近隣にある苅田港は12.4%減の8455億円となりました。このように、同じ自動車関連でもメーカーの戦略や仕向け地によって明暗が分かれているのは興味深いポイントです。
一方で、隣国との情勢が影を落とした部分も見逃せません。韓国向けの「半導体製造装置」がほぼ半減したほか、鉄鋼や映像機器の輸出も振るわなかったことが全体の押し下げ要因となりました。半導体製造装置とは、スマートフォンやパソコンの頭脳となる半導体チップを作るための巨大な精密機械のことです。九州は「シリコンアイランド」とも呼ばれるほどこの産業が盛んですが、今回は国際的な政治・経済の摩擦がダイレクトに数字へ響いた形と言えます。
しかし、輸入額が9.8%減の6.7兆円へと大きく縮小したことが、結果的に貿易黒字の拡大を後押ししました。エネルギー価格の変動などが影響したとみられますが、出費が減ったことで地域の「稼ぐ力」がより際立つ格好となっています。今回のデータからは、特定の国や製品に依存しすぎることの危うさと同時に、主要な柱である自動車産業が持つ圧倒的な防衛力が証明されたのではないでしょうか。今後は半導体需要の回復を睨みつつ、さらなる市場の分散が期待されます。
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