米国の女子プロゴルフツアーがいよいよ開幕し、日本が誇る期待の星が最高のスタートを切りました。2020年1月13日に21歳の誕生日を迎えたばかりの畑岡奈紗選手が、ツアー4年目の初戦から手に汗握る優勝争いを展開したのです。4日間では決着がつかないほどの歴史的な大接戦となり、惜しくも優勝こそ逃したものの、彼女の表情には充実感が漲っていました。試合後に本人が語った「粘り強いプレーができた」という言葉が、今回の激闘の激しさと彼女の成長を何よりも物語っているでしょう。
この熱戦の舞台となったのが「プレーオフ」です。これは本戦の全ラウンドが終了した時点でトップのスコアが並んだ際、優勝者を決めるために行われる延長戦を指します。今回はまさに互いのプライドがぶつかり合う、過酷なサバイバルレースとなりました。前日の段階で5ホールに及ぶ死闘を繰り広げた畑岡奈紗選手ですが、試合後の興奮冷めやらぬ状態だったため、なかなか寝付けなかったそうです。なんと午前4時には目が覚めてしまうほど、心身ともに極限の緊張感の中に身を置いていました。
翌朝の2020年1月21日、午前8時から再開された運命の6ホール目。まばゆい朝日が差し込む中、前日と同じ18番のショートホールでロペス選手との一騎打ちが始まりました。畑岡奈紗選手は第1打をグリーンの右手前に外すピンチを迎えます。しかし、そこから見事なアプローチショットを披露してピンそばに寄せ、パーをキープしました。SNS上でも「この緊迫した状況でのリカバリーショットは神がかっている」「見ているこちらまで息が止まりそう」と、ファンからの絶賛と応援の声が殺到したのです。
続く7ホール目で、ついに試合が動きました。先に打ったロペス選手がピン右側7メートルに運ぶと、畑岡奈紗選手はさらに内側の3メートルにつけて相手に大きなプレッシャーをかけます。ところが、ライバルがこの日初めてのバーディーパットを見事に沈めて状況が一変しました。バーディーとは、そのホールの規定打数より1打少なくカップにボールを入れる快挙のことです。この極限状態での一打が、勝負の天秤を大きく揺らすことになりました。
畑岡奈紗選手も「集中はできていたし、決めにいかなければならなかった」と振り返ります。ですが、勝利への強い想いを乗せたパットは無情にも左へと逸れてしまい、激闘に終止符が打たれました。一歩及ばず2位という結果でしたが、世界最高峰の舞台で見せた彼女の不屈の精神は、多くのゴルフファンの胸を熱く焦がしたに違いありません。今回の最後まで諦めない姿勢は、技術面だけでなくメンタル面における確かな進化の証明と言えます。
2020年の夏に開催が予定されている東京五輪まで、残り約半年となりました。日本女子ゴルフ界のエースとして、メダル獲得への大きな期待がかかる彼女にとって、今大会の収穫は計り知れません。「これほど良いスタートを切れるとは思っていなかった」と語るように、特別なシーズンの幕開けで確かな手応えを掴んだようです。今回味わった悔しさは、彼女をさらに強くする最高のスパイスとなるでしょう。次なる戦いに向けて突き進む畑岡奈紗選手から、今後も目が離せません。
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