2020年1月31日、沖縄電力が発表した2019年4月1日から2019年12月31日までの連結決算において、驚くべき好調さが浮き彫りになりました。経常利益は前年同期と比較して実に88%増となる126億円を達成し、この期間としては2期ぶりの増益という好結果を収めています。沖縄県内の人口増加に伴い、地域全体の電力需要が力強く伸びていることが、この業績を強力に後押ししている状況です。
今回の決算で注目すべきは、単に自社の販売に頼るだけでなく、変化する市場環境を巧みに取り込んだ戦略です。新電力会社向けの卸売り販売が好調に推移したほか、新電力が自社の送電ネットワークを利用する際に発生する「託送収益(たくそうしゅうえき)」も増加しました。託送収益とは、電力自由化によって参入した他の事業者が、大手電力会社の所有する電線網を使用する際にかかる利用料金のことです。
市場変化を追い風に変える経営戦略
市場では「顧客流出の影響はどうなのか」という懸念もささやかれていましたが、SNS上では「新電力との共存で収益構造を転換している」「電力需要の底堅さは沖縄ならではの強み」といった、ポジティブな分析も多く見受けられます。売上高は1%増の1609億円と堅調で、新電力への顧客流出という逆風を、卸売りや送電インフラの提供という形で補完する同社の経営手腕には、目を見張るものがあります。
コスト面では、原油価格の下落によって燃料費が抑制されたことが大きな追い風となりました。加えて、天候要因により太陽光発電などの再生可能エネルギーの買い取り費用である「他社購入電力料」が減少したことも、大幅な増益に貢献しています。私は、電力という社会インフラを担いつつ、外部環境の変動を適切にコスト管理へ反映させる同社の姿勢に、非常に堅実な企業価値を感じています。
この結果を受けて、純利益は前年同期比86%増の96億円に達しました。さらに2020年3月期の通期見通しについても、従来の予想を上回る前期比59%増の83億円へ上方修正されています。今後も人口動態を背景とした電力需要の拡大が見込まれる中で、電力業界の構造変化を自社の成長エンジンへと変えていく沖縄電力の歩みから、目が離せません。
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