2020年2月5日、アパレル業界に大きな衝撃が走りました。カジュアル衣料の雄であるストライプインターナショナルが、2021年1月期の発注額と数量を、前年度比で2%削減すると発表したのです。これは単なるコストカットではありません。「アースミュージック&エコロジー」をはじめとする23の主要ブランドを対象に、発注額で約35億円、数量にして100万枚分を大胆に削るという、業界の常識を覆す決断です。
長らくファッション業界を支配してきたのは、大量生産・大量消費というビジネスモデルでした。売れ残りを恐れるあまり、需要を上回る生産を行い、余った商品は値引き販売、あるいは廃棄するというサイクルが繰り返されてきたのです。しかし、消費者の間では環境保護への関心が急激に高まっており、こうした「売るための過剰生産」に対する風当たりは日に日に強くなっています。
利益体質を改善するための「脱・作りすぎ」戦略
ストライプインターナショナルの石川康晴社長は、今回の決断について「これまで最適な生産量を計算しているつもりだったが、実態は作りすぎていた」と率直に認めています。売り上げ規模の拡大ばかりを追い求め、値引きありきの体質から脱却できていなかったという反省が、この改革の原点にあるのでしょう。今回の抑制により、店舗在庫を絞り込み、結果として店頭価格の値下げ幅を7%改善させる狙いがあります。
私個人としても、この取り組みを非常に高く評価しています。ファッションは本来、資源を無駄にせず、本当に価値あるものを届けるべき産業です。単に「売上高」だけを追いかけるのではなく、利益率を重視し、適正な量を届ける姿勢へシフトすることは、アパレル産業の持続可能性を考える上で極めて重要な一歩といえるのではないでしょうか。
SNSでも広がる共感と変化への期待
このニュースに対し、SNS上では多くの反響が寄せられています。「ようやく時代が追いついた」「廃棄の問題を考えると応援したくなる」といったポジティブな声が目立ちます。特に、地球環境に配慮するZ世代を中心とした消費者層からは、企業の誠実な姿勢に対する高い期待が感じられます。安易な値引きを待つのではなく、本当に欲しい服を適切な価格で購入したいという消費者の意識変化が、企業の背中を強く押しているのでしょう。
ストライプインターナショナルは、すでに2020年1月期から430億円規模の過剰在庫圧縮を推進してきました。今回のさらなる削減は、その姿勢をより鮮明にした形です。需要と供給のバランスを緻密に管理するこの挑戦は、業界全体に波及する大きなうねりとなるはずです。アパレル業界が「廃棄のない未来」へ向かって大きく舵を切った、そんな歴史的な転換点に私たちは立ち会っているのかもしれません。
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