採用難を勝ち抜く中小企業の戦略!「採用弱者」からの大逆転劇

2020年2月6日現在、就職活動のルールが大きく変化し、学生の動きを予測することが難しい時代となりました。都内で金属加工を営む中小企業の人事担当者は、一人で何役もこなす多忙な日々の中、かつてのような「大手が内定を出す6月以降の採用」では、もはや人材を確保できない現実に直面しています。

リクルートワークス研究所のデータによれば、2020年卒の求人倍率は、従業員300人未満の企業では8.6倍という驚異的な数値です。一方で5000人以上の大企業は0.4倍であり、この過酷な格差は「採用弱者」と呼ばれる中小企業にとって深刻な問題です。しかし、彼らは決して立ち止まってはいません。

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「脱東京」でつかむ優秀な人材

システム開発を行う日本ナレッジの藤井洋一社長は、「東京での大卒採用」という従来の枠組みを大胆に捨て去りました。その狙いは地方の優秀な学生です。かつて東京で採用した文系学生をエンジニアに育てても、すぐに離職してしまうという悩みを抱えていた同社。約7年前に福島県郡山市の企業から事業承継の話を持ちかけられた際、近くにある会津大学に注目しました。

情報工学に秀でた学生が多い環境に着目し、「地元志向の優秀な人材と出会えば、長く働いてくれるはずだ」という戦略に切り替えたのです。SNS上でもこの「脱東京」の動きには、「盲点だった」「地元の優良企業を知るきっかけになる」と前向きな評価が相次いでいます。特定の地域でITを学ぶ学生をターゲットにする戦略は、まさに中小企業が大手と差別化を図るための賢明な一歩と言えるでしょう。

質を重視するインターンシップの挑戦

一方で、墨田区で板金加工を営む浜野製作所は、インターンシップのあり方を根本から見直しました。現在主流となっている1~2日の短期インターンとは一線を画し、約1ヶ月にわたって学生に本格的な機械設計や溶接などを体験させるプログラムを実施しています。

2019年夏に行われたインターンでは、学生たちが開発した部品を実際の業務で活用するほどの内容でした。経営企画部の小林亮部長が「大手と同じ土俵では勝てない」と語る通り、数ではなく、「本当にものづくりを志す少数精鋭」との深い繋がりを重視しているのです。

私は、こうした中小企業の取り組みこそが、今後の日本の採用活動における希望だと強く感じています。大手企業が通年採用に本格移行する中で、こうした「独自性」と「密なコミュニケーション」を武器にする姿勢は、学生一人ひとりのキャリアにとっても、企業の未来にとっても非常に健全なあり方ではないでしょうか。

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