三井化学、50代初・橋本新社長が描く「成長の青写真」—M&A戦略で挑む2兆円企業への変革

2020年2月5日、三井化学から化学業界の新たな時代を予感させる大きな発表がありました。4月1日付で、橋本修取締役専務執行役員が新たに社長へと就任します。同社の歴史を振り返れば、50代でその座に就くのは今回が初めてのことです。まさに「若きリーダーの誕生」に、多くの関係者が注目しています。

これまで会社を牽引してきた淡輪敏社長は、代表権を持つ会長に就任します。橋本氏は、この淡輪社長のもとで長年経営戦略の策定を担い、現在は紙おむつ用不織布をはじめとするヘルスケア事業を統括しています。取締役の中でも末席からの抜擢ですが、確かな実績と深い戦略的思考を兼ね備えた人物であることは間違いありません。

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「選択と集中」が加速させるポートフォリオ改革

今回の人事は、単なる交代劇ではありません。三井化学は2025年度に向けて、売上高2兆円、営業利益2000億円という高い目標を掲げています。橋本氏はこの目標達成のため、自動車材料やヘルスケアといった「成長領域」へ経営資源をさらにシフトさせる、大胆なポートフォリオ改革を進める意向です。

「ポートフォリオ改革」とは、企業が持つ事業の組み合わせを、より収益性の高いものに見直すことを指します。かつて基礎化学品に依存していた同社の体質を、高付加価値な機能性材料中心へと変容させた淡輪体制の継承・発展を、橋本新体制は目指すのでしょう。これは、激変する世界市場を勝ち抜くための不可欠な戦略と言えます。

積極的なM&A戦略と不透明な社会情勢への対応

注目すべきは、橋本氏が今後の成長エンジンとして「M&A(合併・買収)」を極めて重視している点です。すでに同社は2018年に自動車開発支援を手がけるアークを買収するなど実績を残していますが、新社長は「ヘルスケアや食品包装の分野でも、さらなるM&Aを検討したい」と意欲を語っています。

SNS上でも「三井化学のこの若返りは、変化への柔軟な対応という強い意思を感じる」「M&Aの積極活用で、従来の化学メーカーの枠を超えていくのではないか」といった期待の声が多く上がっています。一方で、新型コロナウイルスによる肺炎感染拡大という、世界的なサプライチェーン停滞のリスクについても早急な対応が求められています。

中国に生産拠点を持つ同社にとって、原料や製品の流通に生じる影響は計り知れません。淡輪社長は顧客の状況を注視しつつ、中国以外からの代替供給も含めて万全の体制を整えるとしています。未知の難局に立ち向かう新リーダーの手腕が、早々に試されることになるでしょう。

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