関西の観光拠点として常に賑わいを見せる大阪ですが、宿泊業界に少し気がかりなデータが発表されました。日本経済新聞社の調査によると、大阪市内にある主要なホテルにおいて、客室の稼働状況に陰りが見え始めているようです。
具体的には、2019年12月1日から2019年12月31日までの1ヶ月間における平均客室稼働率が90.3%という結果になりました。これは前年の2018年12月度と比較して、1.1ポイントの低下を示しています。
ちなみに「客室稼働率」という専門用語は、ホテルが保有する全客室のうち、実際に宿泊客が利用した部屋の割合を示す重要な指標です。前年実績を下回る月が3ヶ月連続で続いており、対象となった13施設のうち9つで数字が落ち込みました。
SNS上でも「最近の大阪は少し人が減った気がする」「ホテルが急に取りやすくなったのは嬉しいけれど、観光地としては心配」といった声が散見され、街の変化に気づき始めている方々も少なくないでしょう。
新型コロナウイルスの感染拡大とキャンセル問題
稼働率が低下したとはいえ、リーガロイヤルホテルやホテルニューオータニ大阪といった有名施設では、依然として満室に近い状態を維持していました。しかし、現在最も懸念されているのが、連日報道されている新型コロナウイルスの影響です。
2020年1月下旬から中国政府が海外への団体旅行を禁止する措置をとったことで、大阪を訪れる中国人観光客が急減しています。帝国ホテルでは、東京と大阪の拠点を合わせて20組もの団体客からキャンセルや延期の申し出があったとのこと。
未知のウイルスに対する不安が広がる中、旅行を控える動きは当然の心理と言えます。私自身もメディアの立場として、観光業への打撃の大きさに胸を痛めつつ、まずは事態の収束と安全確保が最優先されるべきだと強く感じております。
インバウンド依存からの脱却と今後の展望
さらに深刻なのは、2020年1月や2020年2月以降の見通しです。ロイヤルホテルの担当者は、韓国人旅行者の減少や周辺エリアでの競合施設の増加に加えて、新型肺炎によるキャンセルも重なり、かなり厳しい状況になると予想しています。
一方で、中国政府が春節と呼ばれる旧正月の大型連休を2020年1月31日以降も延長する決定を下したため、日本での滞在を延ばす旅行者も出ている模様です。不測の事態にあっても、柔軟な対応が求められる局面だと言えるでしょう。
ホテルニューオータニ大阪は、延泊を希望するゲストがいれば喜んで対応するとの温かい姿勢を見せてくれました。こうした「おもてなしの心」こそが、苦境に立たされた日本の観光業界を支える大きな力になっていくと私は信じてやみません。
海外からのインバウンド需要に頼り切りになるのではなく、今後は国内各地からの旅行者取り込みを強化していく方針への転換が急務となります。私たち国内の消費者も、地元の魅力を再発見し、地域のホテルを応援していく時期に来ているのではないでしょうか。
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