【ロンドン五輪跡地の奇跡】スタートアップが集うイノベーション拠点から東京が学ぶべき未来の都市計画

2020年2月6日現在、いよいよ今夏に迫った東京オリンピックに向けて日本中が熱気を帯びています。そんな中、2012年に開催されたロンドン五輪の跡地が、次世代を担うスタートアップ企業の巨大な育成拠点として世界中から熱い視線を浴びているのをご存知でしょうか。

SNS上でも「五輪跡地がこんなにおしゃれなイノベーション施設になるなんて」「東京も負けずに最先端の拠点を作ってほしい」といった驚きと期待の声が多数寄せられています。ロンドン東部に位置する「ヒア・イースト」と呼ばれるこの施設には、現在約130社もの企業と3つの大学が集結しているのです。

そもそもスタートアップとは、革新的なアイデアやIT技術を用いて、短期間で急激な成長を目指す新興企業を指します。このヒア・イーストには、スマートフォンで手軽にフィットネスを楽しめるサービスを展開する企業などが多数入居しています。約3800人もの有能な人材が日々ここで働き、学んでいる状況です。

施設の最高経営責任者であるギャビン・プール氏は、新たな価値を創造するには大学の存在が不可欠だと語気を強めます。優秀な学生や研究者が集まるからこそ、最先端のビジネスを目論む新興企業も自然と引き寄せられるのでしょう。

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レガシーを次世代の力へ変える英国の戦略

驚くべきことに、この洗練された施設は、かつて世界中のメディアが集結した五輪のプレスセンターを改装したものです。当時のテレビ中継用に整備された高さ10メートルの広大なスタジオや、高速通信を可能にする光ファイバー網がそのまま活かされています。この恵まれた通信インフラに目をつけ、大手通信会社も拠点を構えるほどです。

現在、欧州連合からの離脱という歴史的な転換期を迎えている英国にとって、こうしたテクノロジー企業の育成は国の命運を握る重要課題となっています。企業価値が10億ドルを超える未上場企業である「ユニコーン」の約35パーセントが英国から誕生しており、政府も手厚い投資でこの勢いを後押ししているわけです。

私個人としても、物理的な国境の壁が物流に影響を与えかねない製造業への不安を払拭するため、デジタル空間を主戦場とするサービス業へ注力する英国の戦略は非常に理にかなっていると考えます。教育機関と連携して次世代のユニコーン企業を育てるエコシステムは、離脱後の経済を強固に支える希望の光となるはずです。

東京がロンドンから学ぶべき未来への視点

過去の五輪では、大会後の施設が廃墟化する問題が起きましたが、ロンドンは見事な遺産の活用を見せました。翻って私たちの東京では、晴海の選手村をマンションに転用する計画が進められています。しかし、都心部の人口集中を加速させるだけの画一的な再開発には、少し疑問を抱かざるを得ません。

五輪という世紀の祭典を一過性のお祭りで終わらせないためには、20年先、30年先の未来を見据えたビジョンが不可欠です。単なる居住空間の提供にとどまらず、ロンドンのように次世代の産業を創出するような、夢のある都市計画が日本にも求められていると私は強く信じています。

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