携帯料金値引き規制で明暗!ソフトバンク好決算の裏側とドコモ苦戦の理由を徹底解説

国内の通信業界を揺るがす大きな変化が訪れる中、各社の命運を分ける決算が発表されました。ソフトバンクは2020年2月7日、2019年4月から2019年12月期における連結決算を公表し、売上高が前年同期に比べて4.7%増加の3兆6179億円に達したことを明らかにしています。さらに本業の儲けを示す営業利益も9%増の7951億円を記録し、見事な増収増益を達成しました。スマートフォンの契約数が順調に右肩上がりを続けていることが、今回の好業績を強力に牽引しています。

今回の好調の背景には、主軸である携帯電話などの個人向け事業だけでなく、法人向けビジネスや、2019年6月にグループへ迎え入れたヤフーの存在が挙げられます。すべての事業が一体となって利益を押し上げており、隙のない経営戦略が功を奏したと言えるでしょう。記者会見の席で宮内謙社長は、全事業での増益をアピールし、自社の底力を強く誇示しました。SNS上でも「これだけ規制が厳しい中で増益を維持するのは純粋に凄い」といった驚きや賞賛の声が数多く上がっています。

しかし、この好業績の裏には通信業界全体を冷え込ませている大きな制度改革が存在します。政府による「端末値引きの上限規制」という新しいルールが導入され、従来のような高額な割引による端末販売が難しくなりました。これはユーザーが携帯会社を乗り換える際の負担を減らし、市場を健全化するために設けられた法的な決まりごとです。この逆風に対し、ソフトバンクは格安ブランドのワイモバイルやLINEモバイルを巧みに組み合わせることで、見事に新規契約の純増を勝ち取りました。

勢いに乗る同社は、2020年3月期の通期業績予想についても上方修正を行いました。営業利益は従来の予測を100億円上回る9000億円に達する見込みで、売上高も4兆8200億円を見込んでいます。同じく競合のKDDIも、一時の激しい顧客獲得競争から脱却し、決済サービスなどの金融分野を伸ばして増収増益へと回復しました。通信以外の「非通信事業」と呼ばれる、ポイント経済圏や独自の金融サービスに注力する戦略が、大手各社の新たな生命線になっている模様です。

一方で、この激変する市場環境の中で一人負けの様相を呈してしまったのがNTTドコモでしょう。同期間の決算は売上高が3.8%減少の3兆5160億円、営業利益は12.7%減少の7878億円と、苦しい減収減益に見舞われました。2019年6月に踏み切った通信料金の大幅な値下げが、そのまま利益を圧迫する形となっています。成長分野への投資によるカバーが追いついておらず、ブランド力にあぐらをかかない、スピード感のある次の一手が今まさに求められているはずです。

ネット上ではドコモに対して「料金が安くなったのは嬉しいけれど、企業の体力としては辛いところ」「ソフトバンクの多角化経営を見習うべきだ」といった冷静な分析が飛び交っています。通信一辺倒のビジネスモデルからいち早く脱却し、ライフライン全般を支える複合企業へと進化したかどうかが、今回の明暗を分けた決定打です。今後も5Gの普及を控え、各社がどのような付加価値を提示して競い合うのか、その戦略の行方から目が離せません。

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