世界中を震撼させている新型コロナウイルスを巡り、世界保健機関(WHO)が遂に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。これは、深刻な事態が現実化する前に警鐘を鳴らすための仕組みです。専門家からは、もっと早い段階での発表が望ましかったという声も上がっています。SNS上でも「ついに世界的な危機になった」「もっと早く国境を制限すべきだったのでは」といった、不安や今後の動向を心配する意見が数多く飛び交っています。
現在、日本国内で確認されている感染者は、いずれもウイルスの発生地である中国・武漢市と何らかの接点がある方々ばかりです。しかし、目に見えないところで静かに地域感染が始まっている可能性も否定できません。感染症の拡大を防ぐためには、最初の動き出しが成否を分けます。かつて2002年から2003年にかけて猛威を振るったSARS(重症急性呼吸器症候群)という重い肺炎を引き起こすウイルスの教訓が、今回の中国の初期対応では十分に活かされなかったと言わざるを得ません。
軽症者からも広がる恐怖!最悪のシナリオに備える社会へ
今回のウイルスの最も厄介な特徴は、体内にウイルスがいても症状が出ない「潜伏期間」や、風邪のような軽い症状の段階でも、他人に感染させてしまう可能性がある点です。実際に日本でも同様の事例が報告されており、予断を許さない状況が続いています。私たちは今こそ最悪のシナリオを頭に入れ、万全の防衛策を講じるべきではないでしょうか。国が危機感を先取りして動くことこそが、爆発的なパンデミック(世界的な大流行)を阻止する唯一の道だと確信します。
これまでの日本政府の動向は、評価に値するものと言えます。WHOの宣言に先駆けて、法に基づき強制的な入院などが可能になる「指定感染症」への速やかな移行を決定しました。さらに武漢市からのチャーター便帰国者に対しては、無症状であっても全員に検査を実施するという、一見過剰とも思える徹底した水際対策を講じています。この迅速な決断力は、国民の不安を和らげる上で非常に合理的な判断だったと強く支持できます。
全員検査は不可能!被害を最小限に抑える「被害極小化」への転換
しかし、症状のない感染者を全員見つけ出すのは、現実的には不可能です。今後、武漢市と関わりのない人々の間で感染が広がった場合、すべての患者を隔離する対策には限界が訪れるでしょう。これからは感染拡大を完全に止めることよりも、重症化や死亡例を出さない「被害極小化」へ舵を切ることが不可欠です。専門の医療機関だけでなく一般の病院でも患者を受け入れ、軽症者は自宅で療養してもらうといった、社会全体で被害を減らす賢明な仕組み作りが求められます。
救いなのは、日本の医療体制の充実度と国民の衛生意識の高さです。2009年に新型インフルエンザが流行した際も、我が国の死亡率は諸外国に比べて驚異的に低い水準を記録しました。ウイルス自体の強さは世界共通ですが、それを受け止める社会の基盤が日本は強固なのです。終息の時期を見通すことは困難ですが、かつてSARSが本格的な対策から約3ヶ月で収束へと向かった歴史が、今私たちが目指すべき一つの道標となるのではないでしょうか。
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