日本の科学技術の未来を担う若手研究者たちの育成に向けて、政府が本格的な腰を上げました。総合科学技術・イノベーション会議は2020年01月に、博士課程へ進む大学院生への経済的な生活支援や、民間企業における博士人材の積極的な採用目標を掲げた総合対策を決定したのです。
今回の政府の動きに対して、SNS上では「ようやく国が動いてくれた」「生活費の支援は本当に助かる」といった前向きな期待の声が寄せられています。その一方で、「過去の失敗を繰り返さないでほしい」という、現状を冷静に見つめるシビアな意見も数多く見られました。
ここでいう「博士課程」とは、大学院で専門分野の高度な研究を行い、博士号という最高学位の取得を目指す課程のことです。かつて政府は1996年度に「ポスドク1万人計画」を打ち出し、大学院の定員を大幅に増やして博士号を取得する研究者を増やそうと試みました。
しかし当時は、企業を含めた社会全体で彼らを受け入れる体制が十分に整っていませんでした。結果として、任期付きで不安定な雇用形態のまま研究を続ける「ポスドク(博士研究員)」が世に溢れ、社会問題化してしまったという苦い教訓が日本にはあるのです。
過去の教訓を活かした実効性のあるキャリアパスの構築へ
だからこそ、今回の施策が単なる絵に描いた餅に終わらないよう、実効性のある具体的な道筋を示すことが強く求められています。単に研究者を増やすだけでなく、産業界や大学と密接に手を取り合い、育てた優秀な頭脳を社会全体でどう活かすかが重要でしょう。
幸いなことに、現在のビジネス界では、高度な専門知識や論理的思考力を持つ博士人材を積極的に採用したいと考える企業が確実に増えつつあります。イノベーションが叫ばれる現代において、未知の課題に挑む彼らのチカラは、日本の国際競争力を高める鍵です。
編集部としては、研究者がお金の心配をせずに研究に没頭でき、その努力が正当に報われる社会こそが健全であると考えます。政府には一時的な支援にとどまらず、博士たちが一般企業でもリーダーとして縦横無尽に活躍できる、確固たるキャリアの道筋を整えてほしいものです。
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