日本を代表する投資企業であるソフトバンクグループに、世界の株式市場を揺るがす大きな激震が走りました。アメリカの有力な「アクティビスト」として名高いエリオット・マネジメントが、同社の株式を取得したことが2020年2月6日に判明したのです。投資額は25億ドル、日本円にしておよそ2725億円以上にのぼり、発行済み株式数の約3%を握ったとみられています。このニュースはネット上でも「巨頭同士の対決が始まった」と大きな話題を呼んでおり、今後の展開に注目が集まっています。
アクティビストとは、日本語で「物言う株主」と表現される投資家のことです。単に株価の上昇を待つのではなく、一定以上の株式を保有した上で、企業の経営陣に対して経営戦略の見直しや企業統治の改善などを積極的に提案します。今回エリオットは、ソフトバンクグループのハイテク企業に対する投資判断へ疑問を投げかけている模様です。同社の経営トップである孫正義会長兼社長らに対して、1月下旬に幹部が直接面談し、問題意識を伝えたことが関係者の話から明らかになりました。
ここで焦点となっているのが、ソフトバンクグループの投資決定プロセスにおける不透明さです。特にシェアオフィスを展開する「ウィーワーク」への出資では、実態とかけ離れた割高な価格で株を取得した結果、巨額の損失を計上する事態へ追い込まれました。さらに、配車大手のウーバーテクノロジーズなど、鳴り物入りで上場した出資先の株価も低迷が続いています。独自のビジョンで突き進むカリスマ経営に対し、客観的なブレーキが必要であるという指摘は、以前から専門家の間でも囁かれていました。
今回の株式取得の報道を受け、SNS上では「ついに孫社長に物申す存在が現れた」「経営が透明化されるなら大歓迎」といった前向きな反響が多く見られます。エリオット側も「現在の株価は、ソフトバンクグループが持つ資産価値を過小評価している」と言及しました。対立ではなく、あくまで経営陣と協調しながら非公開で対話を重ねている姿勢を崩していません。これに対し、ソフトバンクグループ側も「すべての株主からのフィードバックを歓迎する」と大人の対応を見せています。
こうした企業統治の強化への期待感から、翌日となる2020年2月7日の東京株式市場では、同社株へ注文が殺到しました。株価は一時、前日比8%高の5116円まで跳ね上がり、およそ6カ月ぶりの高値を記録しています。東証1部の売買代金ランキングでも首位に躍り出るなど、市場の熱狂ぶりがうかがえます。しかし、市場の一部からは「保有比率が3%程度では、経営を根本から変えるほどのインパクトは与えづらいのではないか」と冷静に分析する声も上がっています。
エリオットは2019年にも世界中で14もの企業に経営改革を迫った、筋金入りの変革者です。私は、今回の動向がソフトバンクグループにとって極めて健全な刺激になると考えています。孫社長の天才的な直感は魅力的ですが、市場の信頼を勝ち取り続けるには、暴走を防ぐガバナンスが不可欠だからです。最強のアクティビストとの対話を経て、同社がより強固な投資企業へと脱皮できるのか、今後の動向から目が離せません。
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