地球温暖化への危機感がかつてないほど募る中、世界中のエネルギー業界を大きく揺るがす地殻変動が起きています。それは、二酸化炭素を大量に放出する企業に対する、強力な資本の力による軌道修正の要求です。主要な機関投資家たちが、これまでの投資スタンスを180度転換させ始めています。
かつて2015年の時点では、化石燃料セクターから資金を引き揚げる、いわゆる「ダイベストメント」を予定する資産額は5兆6000億円ほどに留まっていました。しかし現在では、その規模が1100兆円を突破する驚異的な水準へと膨れ上がっています。環境への配慮を怠る企業は、市場から退場を迫られる時代が到来したと言えるでしょう。
世界最大の巨人が動いた!ブラックロックの衝撃
このような潮流を決定づける歴史的な出来事が、2020年1月に出現しました。世界最大級の資産運用会社であるアメリカのブラックロックが、気候変動対策を企業に働きかける国際的なネットワーク「Climate Action 100+」への参画を表明したのです。この巨人の動きは、日本の電力業界にも激震を走らせています。
同社が動かす資金の総額は約7兆ドルに達しており、その影響力は他を圧倒しています。彼らが重視するのは、環境や社会、企業統治を評価の軸に据える「ESG投資」という手法です。この評価で出遅れた企業は、事業を継続するための資金を調達することさえ、今後は極めて困難になるに違いありません。
SNS上でもこのニュースは爆発的な話題を呼んでおり、「いよいよ本気で世界が変わる」「綺麗事ではなくビジネスとして脱炭素が必須になった」といった声が相次いでいます。言葉だけを取り繕った環境アピールでは、百戦錬磨の投資家たちを到底納得させることはできないのが現実です。
日本のエネルギー産業に迫るリアルな危機
この猛烈な逆風は、すでに我が国の主要企業にも直撃しています。例えば、ノルウェーの政府系ファンドが2019年に出光興産を投資対象から除外するという緊迫した事態が発生しました。北海での石油権益を保有していることが問題視されたと見られており、エネルギー産業の置かれた厳しい立場を象徴しています。
出光側は、資源開発事業が全体のわずかな一部に過ぎないことを懸命に釈明し、なんとかその決定を覆すことに成功しました。しかしながら、この一件が社内に植え付けた危機感は、想像を絶するほど深いものです。欧州の電力大手であるエネルが、今後3年間で石炭火力発電の規模を約6割も削減する計画を打ち出すなど、世界のライバルたちは凄まじいスピードで変革を進めています。
私は、日本のエネルギー企業も、今すぐ形だけの「再生可能エネルギー推進」を捨て、骨太な構造改革に挑むべきだと考えます。報酬を環境目標の達成度と連動させる国があるように、痛みを伴う本気の覚悟を見せなければ、日本の産業全体の未来が暗転しかねないと確信しています。
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