【新型コロナ】千葉でもマスク品薄が深刻化!ドラッグストアの購入制限と小売店が抱く苦悩の裏側

世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、いま日本国内で深刻な事態が発生しています。千葉県内のドラッグストアやディスカウントストアにおいて、マスクの需要と供給のバランスが崩れ、極端に在庫が不足する「需給逼迫(じゅきゅうひっぱく)」が起きているのです。お店の棚から商品が消える異常事態に、SNS上でも「どこに行っても買えない」「朝から並んだけど全滅だった」といった悲痛な声が次々と投稿され、大きな反響を呼んでいます。

事態を重く見た多くの小売店では、買い占めを防ぐために1人が購入できる数量を制限する対策に乗り出しました。成田空港の第2ターミナルに位置する「マツモトキヨシ」では、アジア圏からの旅行者による需要が爆発的に増加したことを受け、2020年1月下旬から購入を1人2個までに制限しています。さらに感染への懸念が高まった2020年2月13日からは制限が強化され、ついに1グループにつき1個までという非常に厳しい措置が講じられることになりました。

空港内の店舗によると、航空便の減便によって中国からの渡航者は減少しているものの、現在は台湾や東南アジアからの観光客が帰国直前にまとめ買いしていくケースが目立つといいます。しかし、この深刻な品不足の波は決して観光地や空港周辺だけにとどまりません。ディスカウントストアを展開する「ジェーソン」の担当者は、インバウンド(訪日外国人旅行者)が普段は訪れないような郊外の店舗であっても、同様に需要が跳ね上がっている現状を明かしています。

また、ドラッグストアチェーンの「くすりの福太郎」でも、個数制限を設けたものの、都心・郊外を問わず入荷直後に即完売する状況が続いています。私たちは、日常に欠かせない衛生用品がここまで枯渇している現実に直面しているのです。これほどまでに人々がマスクを求める背景には、未知のウイルスに対する恐怖心だけでなく、感染者が咳やくしゃみをした際に飛び散るしぶきを吸い込むことで感染する「飛沫感染(ひまつかんせん)」を防ぎたいという強い自衛意識があります。

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売り上げ増加も素直に喜べない小売業界のジレンマ

今回のマスクパニックは、皮肉にも小売業者に対して莫大な利益をもたらす「特需(特別な需要の増加)」を発生させました。ジェーソンでは2020年1月の既存店売上高が前年同月比で1.2%増加し、3カ月ぶりにプラスへと転じています。くすりの福太郎でも、同月のマスクの売上高が前年の同時期に比べて約3割も上回るという驚異的な数字を記録しました。業界全体が直前に消費税増税による買い控えに苦しんでいただけに、数字の上では救われた形です。

しかし、現場の担当者たちが浮かべる表情は一様に曇っています。ある企業の担当者は、増税による売り上げ減少が相殺された事実は認めつつも、これが人々の不安や危機感の上に成り立つ利益であるため、手放しで歓迎して良いのか分からないと複雑な胸中を吐露しました。感染症の拡大という社会的な不利益を背景にした利益に苦悩する小売店の姿からは、ビジネスの倫理観と目の前の現実との間で激しく揺れ動く葛藤が痛いほど伝わってきます。

こうした店舗側の苦悩をよそに、ネット上では一部の転売ヤーによる高額出品が相次ぎ、本当に必要としている医療従事者や高齢者に製品が行き渡らないという二次被害も深刻化しています。利益のみを追求する歪んだ市場の動きに対し、私たちはより冷静な行動を求められているのではないでしょうか。小売店がこれほど真摯に社会と向き合っているからこそ、消費者である私たちも過度な買い溜めを控え、お互いを思いやるモラルを持つべきだと強く感じます。

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