日本版ユニコーンの光と影!過熱するスタートアップ投資と忍び寄る「警戒感」の正体

2019年12月05日、日本のスタートアップ界隈には、これまでの熱狂に冷や水を浴びせるような緊張感が漂い始めています。かつてないほどの資金が未公開企業に流れ込み、華々しい成長を遂げる企業が相次ぐ一方で、現場では「ある異変」が起きているのです。

その象徴的な出来事が、2019年10月25日に東証マザーズへと上場を果たしたBASEの事例でしょう。ネットショップ開設支援で急成長した同社ですが、上場直前の9月下旬、欧州の機関投資家から「今の価格では買えない」という耳を疑うような通告を受けたそうです。

2カ月前までは前向きだった投資家たちの心変わりは、まさに市場の風向きが変わった瞬間でした。最終的にBASEの公開価格は、当初の想定を2割も下回る1300円という厳しい船出を余儀なくされたのです。こうした弱気な姿勢は、今や市場全体に広がりつつあります。

SNS上でも「これまでのイケイケムードが嘘のようだ」「上場ゴールを狙う企業への目が厳しくなっている」といった声が散見されます。投資家たちの「警戒感」が、実感を伴う数字として現れ始めたのが、この2019年後半の大きな特徴と言えるでしょう。

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過去最高の資金調達額の裏に潜む「バブルの足音」

2019年における未公開企業の資金調達額は、過去最高だった前年の約4200億円と同等、あるいはそれ以上になる見通しです。この10年で1兆7000億円ものマネーが流入し、メルカリのような時価総額1000億円を超える「ユニコーン」が誕生しました。

ここで言うユニコーンとは、評価額が10億ドル以上で設立10年以内の未上場企業を指します。希少価値の高さからそう呼ばれますが、足元では「どんな企業でもお金が集まってしまう」という過熱感に対し、プロの投資家たちからも懸念の声が上がっています。

米名門VCの本多央輔氏は、投資先へ早めの調達を促していると言います。一度IPO(新規株式公開)が失速すれば、リーマン・ショック時のように資金供給が止まる怖さを知っているからです。IPOとは、自社の株を一般に売り出し、証券取引所に上場させることを意味します。

これまでの日本は、上場後の株主が個人投資家に偏りがちでした。そのため、一度相場が冷え込むと成長企業の株価も脆く崩れてしまいます。未上場の段階から長期的な視点を持つ機関投資家を巻き込めるかが、日本経済の命運を握る試金石となるはずです。

筆者の私見ですが、今の状況は健全な「選別」の始まりだと捉えています。潤沢な資金に甘んじるのではなく、真に価値あるサービスを見極める視点が、投資家にも起業家にも求められています。過去の教訓を活かし、成熟した市場を築けるかどうかの正念場なのです。

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