2020年2月14日の東京株式市場において、大手ハウスメーカーである大和ハウス工業の株価が一時、前日と比べて233円安の3323円まで値下がりし、約7%の急落を記録しました。この大幅な下落は、約3ヶ月ぶりの低水準となります。前日に発表された決算内容自体は決して悪いものではなかっただけに、この市場の過剰とも言える反応は、多くの投資家や関係者の間で大きな衝撃をもって受け止められているようです。
同社が発表した2019年4月1日から2019年12月31日までの連結純利益は、前年の同じ時期と比べて6%増の1956億円に達しています。これは該当期間において過去最高の利益となります。背景には、インターネット通販の爆発的な普及に伴う大型物流施設の旺盛な需要や、開発した不動産の売却益が順調に積み上がったことがあります。しかし、この華々しい最高益の裏側で、主力のビジネスに深刻な影が差していました。
市場が最も深刻視したのは、主軸である国内の戸建て住宅事業における想定以上の大苦戦です。企業側も消費マインドの冷え込みによって業界全体が厳しい局面に立たされていると明かしました。これは、2019年10月1日の消費税率引き上げ後に発生した買い控え(反動減)や、深刻な人手不足に伴う人件費の高騰が、採算を急激に悪化させているためです。この本業の停滞が、投資家の警戒感を一気に強める結果となりました。
さらに、アパートなどの賃貸用集合住宅も厳しい環境に置かれています。近年世間で騒がれている「空き家問題」を背景に、銀行などの金融機関が融資審査の厳格化(お金を貸す基準を厳しくすること)に踏み切ったため、新たな建築請負のハードルが上がっているのです。その影響は顕著に現れており、2020年1月の受注実績は戸建てが前年同月比21%減、集合住宅にいたっては28%減という驚くべき落ち込みを見せています。
SNS上でもこのニュースは話題を集めており、「最高益なのに7%も下がるなんて株の世界は厳しい」「物流が良くても本業の家が売れないと先行きが不安になるのも納得」といった声が上がっています。また、「家を建てる人が減っているのは実感としてある」という、実社会の冷え込みと結びつけた意見も目立ちました。好決算という数字の表面だけでは測れない、住宅業界全体の根深い構造変化を敏感に察知したつぶやきが溢れています。
専門家の間からも、戸建て住宅の建築請負といった同社本来のコア事業における低迷は、今後もしばらく継続せざるを得ないという厳しい見方が示されました。物流施設などの不動産開発による利益は一時的な要素も多く、企業の基礎体力を表す本業の回復なくしては、本当の意味での信頼回復は難しいという指摘です。最高益を出しながらも売られるという今回の現象は、市場が企業の「持続可能性」をシビアに評価している証拠と言えます。
私自身の見解といたしましては、今回の株価急落は大和ハウス一社の問題に留まらず、日本の住宅市場全体の転換期を象徴していると感じます。人口減少や増税といった構造的な課題に対して、これまでの新築至上主義ビジネスだけでは限界があるのは明白でしょう。同社が誇る高い技術力や豊富な資金力を活かし、リフォーム事業や海外展開、あるいは環境配慮型住宅へのシフトなど、新たな成長の柱をどのように強固にしていくのか、今後の変革に期待したいところです。
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