シャープ決算の行方:消費増税の波と液晶パネル市場の現在地

2020年2月4日にシャープが発表した2019年4月から12月期の連結決算は、厳しい現実を映し出す内容となりました。純利益は前年同期比で17%減の524億円、売上高も1%減の1兆7555億円という結果です。背景には、消費増税後の駆け込み需要の反動によるテレビの国内販売不振や、かつて東芝のパソコン事業買収時に計上された「負ののれん益」という一時的な利益がなくなった影響があります。「負ののれん益」とは、買収した企業の純資産よりも低い価格で買収できた際に生じる会計上の利益のことで、過去の決算を押し上げていた要因の一つです。

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液晶事業の苦戦と市場の動向

主力の液晶パネル事業においても、厳しい逆風が吹いています。特に、新車市場の冷え込みが車載用パネルの需要を直撃しました。また、パソコンの頭脳にあたる半導体「CPU(中央演算処理装置)」の供給不足も深刻で、パソコン本体の生産が停滞したことで、パネル需要まで押し下げられています。ネット上でも「この先、電化製品の需要はどうなるのか」「液晶パネルの回復はいつになるのか」といった不安の声が上がり、投資家たちの間では今後の動向を注視する動きが加速しています。

一方で、明るい材料もあります。米アップルの新型「iPhone」向け小型液晶パネルは足元で好調を維持しており、東南アジア圏を中心とした白物家電の販売も堅調です。しかし、これらプラスの要因だけでは、全体を覆う減益傾向を補うには力不足というのが現状でしょう。営業利益も3%減の663億円にとどまり、苦しい台所事情が浮き彫りとなりました。

見据える2020年3月期の展望

同日発表された2020年3月期の通期見通しでは、売上高を当初の予想より2000億円下方修正し、前期比2%増の2兆4500億円としています。野村勝明副社長は「デバイス関連の需要回復が想定より後ろにずれ込んでいる」と説明しました。その一方で、純利益については8%増の800億円という従来の予想を据え置いています。コスト削減を徹底し、収益管理を強化することで目標を達成する構えです。

また、世界的に注目が集まっている新型コロナウイルスによる肺炎の影響についても触れられましたが、現時点では「合理的な算出が困難」として業績予想には組み込まれていません。個人的には、世界経済のサプライチェーンが複雑に絡み合う今、この影響を正確に予測することは非常に困難だと感じます。今後、製造現場や物流へどのような波及があるのか、企業としてのリスク管理能力がこれまで以上に問われることになるでしょう。

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