新型肺炎で明暗!ホンハイ工場再稼働延期でiPhone供給に影、テスラやZTEは10日始動へ

世界中で猛威を振るう新型肺炎の影響が、世界のモノづくりを支えるサプライチェーンを大きく揺るがしています。電子機器の受託製造サービス(EMS)で世界トップを走る台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が、中国国内にある主力工場の再開を、当初予定していた2020年2月10日から先延ばしにすることが2020年2月8日に判明しました。EMSとは、他社ブランドの電子機器を委託されて受託製造する専門企業のことで、現代のIT社会には欠かせない存在です。

今回の延期理由は、地元当局から防疫体制の不備を指摘されたためとされています。関係筋によれば、傘下のフォックスコンが運営する広東省深セン市の工場を衛生担当者が検査したところ、社員寮や食堂の換気環境が悪く、感染リスクが極めて高いと判断されました。いつ生産が戻るかは依然として不透明な情勢であり、同社は行政のルールに従いつつ早期の承認を目指す構えを見せています。

ネット上やSNSでも、このニュースは大きな話題を集めています。「新型肺炎の対策がここまで厳格だとは思わなかった」「工場の稼働停止が長引けば、楽しみにしている最新ガジェットが手に入らなくなるかもしれない」といった、先行きの見えない供給不足を懸念する声が数多く上がっていました。

特に影響が心配されるのは、世界最大級の「iPhone」組み立て拠点である河南省鄭州市の工場も同様に操業をストップしている点です。深センの工場ではサーバーなどの重要機器を製造しているため、今回の足踏みが長引けば、スマートフォンをはじめとする世界のITインフラ供給に深刻なブレーキがかかりかねません。

その一方で、同じ中国国内でも明暗がくっきりと分かれています。米国の電気自動車(EV)大手であるテスラや、中国の通信機器大手であるZTEなどは、政府からの力強い後押しを受けて2020年2月10日から予定通りに工場を動かす見通しです。上海市政府がテスラなどの生産再開を積極的にバックアップすると2020年2月8日に表明したことが大きな追い風となりました。

しかし、足元では一部の自治体が独自の判断で休業の再延長を求めるなど、中国全土での足並みは揃っていません。もし操業を再開したあとに社内で感染者が発生すれば、企業への激しい非難は避けられないという重苦しい空気が漂っています。リスクを恐れて自主的に休業を長引かせる企業が、今後はさらに増える可能性も否定できないでしょう。

編集部としては、今回の事態は一企業の不祥事ではなく、感染症という不可抗力に対する防衛策の難しさを物語っていると感じます。テスラのように再開にこぎつけた企業がある反面、ホンハイのような巨大企業が足止めを食らう現状を見ると、世界の製造業がいかに中国一極に依存しているかが浮き彫りになりました。今回の危機を教訓に、今後は生産拠点の分散化が世界中で一気に加速するのではないでしょうか。

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