2020年に入り、世界中を揺るがしている新型肺炎のニュースに、多くの人々が不安を募らせています。金融市場も同様に波乱の展開が続いていましたが、直近では驚くべきことに、米国株を中心に意外なほどの堅調さを見せ始めているのです。
この奇妙とも言える株高の背景には、いくつかの明確な理由が存在します。まず挙げられるのが、感染者数そのものは増加しているものの、中国国内における1日当たりの増加率が緩やかになりつつあるという事実です。
SNS上でも「そろそろピークアウトするのでは」という期待の声が目立ち始めました。感染の疑いがある「疑似患者数」が峠を迎えつつあるとの見方もあり、これが市場に安心感を与えています。
かつて2003年に発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)の流行時も、感染拡大のペースが鈍化したタイミングで、株価は劇的な回復を遂げました。今回も同様のパターンを辿ると、多くの投資家が予想しているのでしょう。
過去のデータが示す景気回復への期待と各国の金融政策
確かに2020年1月から2020年3月期にかけて、中国をはじめとする世界経済が急激に落ち込むことは避けられそうにありません。しかし、流行が早期に収束すれば、その反動による急激な景気回復が期待できます。
SARSの際も、中国経済の停滞はわずか1四半期にとどまり、次の期には驚異的なV字回復を見せました。こうした歴史的な経験則が、現在の強気な市場心理を強力に支えているのです。
さらに、この危機を乗り越えるために世界各国が打ち出す、柔軟な政策対応への期待感も大きな原動力となっています。中国政府はこれまで、過剰な借金を減らす「デレバレッジ」という引き締め政策を進めてきました。
しかし背に腹は代えられず、一時的に景気を刺激する方向へと舵を切る可能性が濃厚です。実際にブラジルやタイなどの新興国は、早くも利下げを決定して経済の下支えに動いています。
金融相場の継続とこれからの市場の見通し
投資家の間では、アメリカのFRB(連邦準備理事会)が不測の事態に備えて即座に利下げに踏み切るという思惑も根強く、市場にはお金が溢れる「金融相場」が維持されています。
私は、この危機対応能力の高さこそが現代市場の強みであると考えます。もちろん、実体経済への悪影響が数値として現れるのはこれからであり、決して楽観視できる状況ではありません。
SNSでは実体経済の悪化を懸念する声も根強く、事態がさらに悪化するリスクも否定できません。ですが、感染が収まれば市場は再び長期的な「ファンダメンタルズ」、つまり経済の基礎的条件に目を向けるはずです。
その基礎的な景気トレンドはすでに底を打っている可能性が高く、過度な恐れは禁物です。混迷する2020年2月現在の相場ですが、冷静に事態の推移を見守ることが、賢明な投資判断へと繋がるでしょう。
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