世界中で猛威を振るい始めている新型コロナウイルスですが、その影響は私たちの生活や経済に暗い影を落としています。特に、生活に密着した小売業や地域の観光業においては、これまでにない深刻な事態へと発展しつつあるのです。ニュースやインターネット上でも、日ごとに緊迫感を増していく状況に対して、多くの人々が不安を募らせています。
全国のドラッグストアでは、感染予防のためにマスクを買い求める人々が殺到しており、どこへ行っても手に入らない異例の事態が続いています。「クスリのアオキホールディングス」では、多くの店舗でマスクの品薄状態が常態化し、一部の売り場では完全に在庫が底をついてしまいました。SNS上でも「何軒回ってもマスクが見つからない」「朝から行列に並んだけど買えなかった」といった悲痛な叫びが数多く投稿されています。
さらに、ドラッグストアチェーンの「ゲンキー」を運営する企業によると、店舗によってはマスクの売上高が通常の7倍から8倍にまで跳ね上がる日もあるそうです。こうした爆発的な需要の急増に対して、供給が全く追いついていないのが現状と言えます。また、ウイルスを死滅させて感染を防ぐ「消毒液」などの関連商品も同時に飛ぶように売れており、衛生用品全般の確保が極めて難しくなっています。
インバウンド消滅の危機!大打撃を受ける観光地
一方で、観光業界に目を向けると、こちらも利用者の急激な減少という大きな壁に直面しています。北陸地方屈指の観光都市である石川県金沢市でも、その影響が顕著に現れ始めました。中国政府が海外への団体旅行を禁止する措置に踏み切って以降、これまで好調を維持していた「ANAクラウンプラザホテル金沢」では、2020年2月の宿泊予約の伸びが急激に鈍化している状況です。
また、金沢市にある高名な仏教哲学者を称える「鈴木大拙館」でも、予定されていた中国からの団体客30名による予約が、急きょキャンセルとなる事態が発生しました。このような文化施設や観光名所におけるインバウンド、つまり「訪日外国人旅行客」の激減は、地域経済にとって非常に大きな痛手となります。せっかくの観光シーズンであるにもかかわらず、街の活気が失われていくのは寂しい限りです。
追い打ちをかけるように、空の便でも運休や減便の動きが加速しています。中国東方航空は、これまで週6便を運航していた小松と上海を結ぶ路線について、2020年2月2日から一部の運休を決定しました。その後、2020年2月8日までは週4便体制へ、さらに2020年2月9日から2020年3月27日にかけては週2便へと、段階的に運航本数を大幅に減らす見込みとなっています。
深刻な経済損失の試算とこれからの展望
富山県においては事態がさらに深刻であり、2020年2月12日から中国本土と富山空港をつなぐ航空路線が、一時的にすべて途絶えるという異常事態に陥ります。こうした交通網の遮断は、地域経済への直接的な大ダメージとなるでしょう。ネット上でも「地元の観光業や飲食店は持ちこたえられるのか」と、行く末を不安視する声が溢れており、事態の長期化を懸念するムードが強まっています。
この難局について、中部圏社会経済研究所が富山県を訪れる中国人旅行客の消費行動に関する影響額の試算を行いました。それによると、このまま新型肺炎の影響が続いた場合、2020年における富山県内での消費額は、なんと約11億7000万円も減少する可能性があるという驚きの予測が出されています。これほど巨額の損失は、一地域の経済が受けるダメージとしては計り知れません。
編集部としては、今回の騒動による買い占め騒動を冷静に見極める必要があると感じています。マスクの不足で本当に困っている医療従事者や高齢者に品物が行き渡らない現状は、一刻も早く改善されるべきでしょう。また、政府や自治体には、観光業への資金繰り支援など、迅速かつ具体的な救済策の実施を強く望みます。官民が一体となってこの危機を乗り越える知恵が、今こそ試されているのではないでしょうか。
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