EV市場の荒波!田中化学研究所が2020年3月期に14億円の最終赤字へ、下方修正の背景と今後の展望

車載用電池材料の分野で注目を集める田中化学研究所が、厳しい現実に直面しています。同社は2020年2月7日、2020年3月期の単独最終損益が14億円の赤字に転落する見通しであることを公表しました。当初は1億7000万円の黒字を見込んでいただけに、今回の下方修正は市場に大きな衝撃を与えています。これで2019年3月期に続き、2年連続の赤字が決定的となりました。

SNS上では「EVシフトの過渡期とはいえ、この下方修正は驚いた」「電池関連の本命銘柄だと思っていたのでショックが大きい」といった、落胆や驚きの声が多数寄せられています。一方で「ここは技術力があるから、長期的に見守りたい」と、将来の復活を期待する根強いファンからのエールも見られました。投資家の間でも、同社の今後の動向に対して非常に高い関心が集まっている様子が窺えます。

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中国市場の減速が直撃!主力の車載用リチウムイオン電池向けが苦戦

業績悪化の主な要因は、中国における環境対応車、いわゆる「NEV(新エネルギー車)」市場の急激なブレーキです。これにより、同社の主力である車載用リチウムイオン電池向けの素材販売が大きく落ち込みました。リチウムイオン電池とは、スマートフォンから電気自動車まで幅広く使われる、充電して繰り返し使える高性能な電池のことです。この最先端分野での需要減退が、業績に深刻な影を落としています。

同日発表された2019年4月12日から2019年12月31日までの9ヶ月決算を見ても、厳しい状況が浮き彫りになりました。売上高は前年同期比で40%減の154億円と大幅に減少しています。さらに、最終損益は9億1300万円の赤字に転落してしまいました。前年の同じ時期は8100万円の黒字を確保していたため、いかにこの1年で環境が激変したかが分かります。

セグメント別の明暗と、編集部が予測する次世代の可能性

内訳を見ると、車載用リチウムイオン電池向け製品が20%減、スマートフォンなどに使われる民生用も27%減少しました。しかし、すべてが悲観的なわけではありません。ハイブリッド車などに使われるニッケル水素電池向けの車載製品は、11%の伸びを記録しています。これは、市場が完全に冷え切ったのではなく、需要のバランスが一時的に変化している証拠だと言えるでしょう。

筆者は、今回の赤字を単なる衰退ではなく、次なる飛躍への「踊り場」であると捉えています。EV市場の急減速は世界的な規制や補助金の動向に左右された一時的なものであり、脱炭素の流れ自体が止まることはありません。田中化学研究所が誇る高い技術力は、今後のクリーンエネルギー社会において間違いなく不可欠です。目先の赤字に惑わされず、同社が仕仕掛ける次の一手に期待を寄せたいと思います。

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