新型コロナで揺れるクルーズ船予約!ベストワンドットコムの株価急落と今後の旅行業界の行方

クルーズ旅行に特化したオンライン旅行会社、ベストワンドットコムの株価が市場の注目を集めています。2020年2月10日の東京株式市場において、同社の株価は7日連続で値下がりする展開となりました。一時は前週末に比べて11%(365円)も安い2920円まで急落し、約2カ月半ぶりの安値を記録しています。この背景には、連日ニュースを賑わせているクルーズ船内での新型コロナウイルスの感染拡大があり、利用者の減少が企業の業績を大きく悪化させるのではないかという不安が投資家の間で広がったためです。

最終的な終値は前週末比6%安の3095円となりましたが、売買代金は平時の7割増となっており、個人投資家を中心とした狼狽売りが先行した模様です。SNS上でも「楽しみにしていたクルーズを諦めるべきか」「旅行会社の経営は大丈夫なのか」といった、旅行者や株主からの悲痛な声が相次いで投稿されています。現在、横浜港で検疫が行われている「ダイヤモンド・プリンセス号」では、2020年2月10日時点で100人を超える感染者が確認されており、その緊迫した状況が市場にダイレクトに響きました。

ベストワンドットコムは同日の取引終了後、運航中止となった同船の予約が272件あり、受注額が8000万円に上っていたことを公表しています。乗船できなかった顧客への払い戻し金は、旅行会社ではなく船を運行する会社側が負担するため、ベストワンドットコム自体の直接的な利益への影響は「軽微」にとどまる見込みです。しかし、この発表を受けても市場の安心感には繋がりませんでした。今回の騒動をきっかけに、他のクルーズ船でも予約のキャンセルが相次いで発生しているためです。

旅行会社にとって、旅行商品の販売額から原価を引いた「手数料収入」が主な利益の源泉となりますが、キャンセルのドミノ倒しが起きれば、当然その収入は絶たれてしまいます。同社は2020年7月期の連結純利益について、前期比21%増の1億円という好決算を予想していました。2019年12月に発表された四半期決算が好調だったことで、一時は株価が5000円を超えるほどの期待を集めていた企業なだけに、今回の新型肺炎という予期せぬ外部要因による業績下振れリスクは、投資家にとって大きな痛手といえます。

昨年末のピーク時から比べると、現在の株価は4割近い下落を記録しており、市場関係者からは「新型肺炎の流行が収束に向かうまでは、株価の本格的な持ち直しを期待するのは難しい」との厳しい見解も示されています。編集部としては、同社のビジネスモデル自体は強固であるものの、人の移動が制限される感染症の拡大期においては、一時的な耐え時が続くと考えています。今は政府や医療機関による迅速な封じ込め策と、旅行需要が再び V字回復するタイミングを冷静に見極めるべき局面でしょう。

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