山形市は、東北地方における新たな地域連携のモデルを打ち出しました。佐藤孝弘市長は2019年6月27日、地域経済の活性化と人口減少といった共通の課題に対応するため、「連携中枢都市宣言」を公表されました。これは、山形市を中心として、近隣の自治体と協力し、一体的な経済圏、すなわち**連携中枢都市圏(れんけいちゅうすうとしけん)**を形成しようという壮大な構想でございます。
この連携中枢都市圏とは、地域の中心となる都市(今回の場合は山形市)が、その周辺の自治体と協力・連携することで、住民サービスの維持・向上や地域経済の効率的な活性化を図るという、国の支援制度を指します。中心都市が持つ医療や商業などの都市機能を、周辺地域にも波及させ、都市圏全体で課題解決を目指す仕組みです。もちろん、国からの財政的な支援が得られるため、各自治体の単独での取り組みよりも大きな効果が期待できるのが魅力でしょう。
具体的には、山形市は山形県内の上山市をはじめとする計6市6町とタッグを組むことになります。佐藤市長は、周辺の市長や町長が一堂に会した同日の推進会議で、「都市間競争やエリア間競争が激化する現代において、単体で競い合うのではなく、力を合わせて一つの経済圏を創り上げ、共に発展することが非常に重要であります」と強いメッセージを発信されました。これはまさに、これからの地方創生において不可欠な、共存共栄の精神を示すものでしょう。
この宣言を受け、今後は連携に参加する各自治体の議会で関連の議決を経て、2019年度末までには都市圏の具体的な取り組みの計画を盛り込んだ「都市圏ビジョン」が公表される見込みです。そして、2020年度からの事業開始を目指し、本格的な連携プロジェクトがスタートする予定となっています。この動きは、東北地方における地域間連携の取り組みとして、すでに盛岡市など3地域で都市圏ビジョンが公表されている(2019年4月1日現在)先行事例に続くものとして、大きな注目を集めること間違いありません。
この山形市の新しい試みに対し、SNS上でも「これからの地方は連携が鍵だ」「山形の新しい経済圏に期待したい」といったポジティブな反響が多く見受けられます。私が編集者として感じますのは、これは単なる制度活用に留まらず、地域の首長たちが未来を見据え、自らの地域をどう持続可能にしていくかという、強い意志の表れだということです。地方が活力を取り戻し、魅力的な居住地であり続けるためには、行政の枠を超えた柔軟な連携こそが求められる道筋ではないでしょうか。山形市がリードするこの連携中枢都市圏の動向を、今後も追いかけていくべきでしょう。
コメント