✨ブーム後を見据える!宮崎発KIGURUMI.BIZの着ぐるみ製作が世界へ、働き方改革で生み出す高品質の秘密とは?

宮崎市に拠点を置く**KIGURUMI.BIZ(キグルミビズ)**は、「ゆるキャラ」ブームを牽引し、これまでに3,000体を超える着ぐるみを世に送り出してきた、まさに業界のリーディングカンパニーです。ブームが一巡したいま、同社は次なるステージとして海外展開や新たな企業開拓に積極的に乗り出しており、その経営戦略が注目されています。

加納ひろみ社長は、「正しい商品は正しい場所から生まれる」という揺るぎないモットーを掲げ、製品の品質向上と同じくらい、むしろそれ以上に、職場環境の整備に力を注いでいらっしゃいます。宮崎市内の工場では、約30名の女性スタッフの方々が、生き生きときびきびと作業されています。生地の裁断や縫製、着ぐるみの“顔”となる発泡スチロール製の頭部の彫刻、そして手足などの各パーツ製作まで、分業体制で一つひとつ丁寧に作り上げられています。着ぐるみ1体が完成するまでには約1カ月もの時間を要し、現在、月に約20体の着ぐるみを製作されているとのことです。

同社が大切にしている理念は、「向こう側の笑顔」と「こちら側の笑顔」です。着ぐるみを見る子どもたちや、中に身を包むアクター(着ぐるみの中に入る演技者のこと)、そしてスポンサーとなる企業など、着ぐるみに関わる全ての人たちに笑顔になってもらうために、まず自分たち作り手自身が笑顔でいられる環境を整えようという強い決意が込められています。しかし、この理念が浸透し、実行されるまでには決して平坦ではない道のりがありました。

KIGURUMI.BIZのルーツは、1990年に創業された前身の「ステージクルー」に遡ります。当初は宮崎県のオペラ協会の美術や衣装、ステージ用の道具などを手掛けていましたが、やがて着ぐるみを含む様々な造形物を制作するようになりました。大きな転機となったのは、バブル崩壊による仕事の減少と、その後に訪れた「ゆるキャラブーム」の到来です。「ひこにゃん」や「せんとくん」といった人気キャラクターが次々と誕生し、同社の仕事も着ぐるみ製作が中心となっていきました。2009年に現在のKIGURUMI.BIZに社名を変更し、2012年に法人化を果たしています。

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働き方改革の先駆け!「こちら側の笑顔」が生んだ劇的な変化

仕事が急増する一方で、女性スタッフからは「休みが取れない」「残業でおにぎりを食べる時間があるなら早く帰りたい」「遅い時間に子どもを保育園に迎えに行くと、おなかが空いているのでついスーパーで総菜を買ってしまい、手料理を食べさせられず、残業代が総菜代に消えてしまう」といった、切実な不満の声が上がってきました。これに対し、加納社長は迅速に対応し、金曜日を「ノー残業デー」に設定しました。さらに、全スタッフに有給休暇を積極的に取得するように働きかけ、2012年から本格的に職場改善に取り組まれました。

その結果は驚くべきものでした。職場改善に取り組んだ翌年の2013年には、なんと売上高が前年比で5割増を達成したのです。さらに、経常利益(本業での儲けを示す利益に、営業外収益や費用を加味したもの)は2.7倍に跳ね上がり、いかにそれまで残業代などに無駄な費用が使われていたかが浮き彫りになりました。これはまさに、国がいま推進している働き方改革を、KIGURUMI.BIZが数年早く、そして自主的に成功させた事例であると言えるでしょう。

技術力や品質を高めることはもちろん重要ですが、それ以上に、「自分たちの製品で誰かを幸せにしようと思えば、作り手である自分たち自身が幸せでなければならない」というのが、同社が辿り着いた結論です。この「作り手の幸福」こそが、KIGURUMI.BIZの製品に宿る、何物にも代えがたい高い付加価値となっているに違いありません。私は、同社の取り組みは、現代の企業経営において非常に示唆に富んでいると考えます。従業員を大切にすることが、結果として生産性の向上と業績の拡大に直結する、理想的な好循環を生み出しているからです。

ブーム後を見据えたグローバル展開とブランド戦略

加納社長は、自社の取り組みを広く伝えるため、2015年には宮崎県の「みやざき女性の活躍推進会議」で、宮崎銀行頭取とともに共同代表に就任されました。また、ご自身の著書『幸せな着ぐるみ工場』を出版し、その先進的な経営哲学を社会に発信されています。ゆるキャラブームが一旦落ち着いたことを見越し、同社はいち早く自治体への営業だけでなく、企業や海外市場にも新たな布石を打ち始めています。

加納社長の見立てでは、企業のイメージキャラクターに関わる着ぐるみ、例えば食品メーカーのキャラクターなどは、清潔感や品質の高さを強く求められる傾向があるそうです。また、中国などの大手企業からも、高品質の「日本製」に対する需要が高まっているとのことです。これまでに、KIGURUMI.BIZの着ぐるみは世界16カ国・地域に輸出されています。「これからブームになりそうな国もあり、非常に楽しみです」と加納社長は期待を語られています。この高品質な“Made in Miyazaki”の着ぐるみが、今後、世界中の人々に「向こう側の笑顔」を届けてくれるに違いありません。

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