【GAFA神話の終焉】世界が問う巨大プラットフォーマーの功罪。「分割論」まで浮上したIT業界の規制時代の幕開け

2019年5月29日付のコラムが鋭く指摘したのは、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンという巨大IT企業群、通称GAFAに対する、世界的な風当たりの強まりです。米中貿易戦争の陰で、彼らの市場支配的な振る舞いと、個人情報保護のあり方が、世界中の規制当局の監視下に置かれ始めた時期でした。これは、GAFAが従来の法規制を逃れて自由に振る舞えた時代の終わりを告げる、大きな転換点だと言えるでしょう。

IT業界の動向を長年見つめてきた学者たちの共著『The Business Of Platforms』が指摘するように、彼らプラットフォーマーの目下の最大の課題は、世界主要国の規制当局への対処です。GAFAの社員と話をすると、ライバルを徹底的に駆逐し、市場支配力を維持・拡大することに、驚くほどの執念を燃やしているといいます。莫大な資金を投じて将来のライバルになりそうな新興企業を次々と買収してきた背景には、その飽くなき独占欲があると考えられます。

SNS上でも当時、「GAFAは便利だが、力を持ちすぎている」「私たちのデータが彼らの利益になっている」といった、巨大企業に対する警戒感が強く示されていました。実際、米国の開業率は過去40年で最低水準にまで落ち込んでおり、市場経済の健全な新陳代謝が、GAFAの膨張によって阻害されているのではないかという懸念も広がっていました。独占的な状態を指す寡占は、イノベーションの芽を摘み、消費者の選択肢を狭めてしまう可能性があるからです。

この流れは政治にも波及しました。2020年の大統領選挙に出馬を表明した米民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員(当時)は、なんとGAFAの分割を公約に掲げるほど、規制強化の議論は進んでいました。日本でも公正取引委員会が、巨大IT企業による寡占を狙うM&A(合併・買収)を規制する方向で動き始めていました。

コラムニストとしての私の意見ですが、GAFAの出現がもたらした利便性は否定できませんが、**「技術の進歩は自由であるべき」という原則と、「市場の公平性」**という原則を両立させることが、現代社会の最も重要な課題です。技術は常に中立ですが、その力が特定の企業に集中しすぎると、社会全体の利益を損なう可能性があります。GAFA神話の終焉は、私たち一人ひとりが、巨大な力を持つプラットフォーマーのあり方を問い直し、新しい時代のルールを構築する必要性を突きつけていると言えるでしょう。

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