2019年5月31日、成田国際空港会社(NAA)は、前観光庁長官の田村明比古氏が次期社長に就任する人事を政府が了承したことを受け、現社長の夏目誠氏が記者会見で歓迎の意を表明いたしました。夏目社長は、田村氏が成田空港のさらなる機能強化や、目前に迫った東京オリンピック・パラリンピックといった重要課題の解決に、その手腕を発揮してくれるだろうと、大きな期待を寄せているご様子です。
新社長となる田村氏は、1980年に旧運輸省へ入省されて以来、国土交通省の航空局長や観光庁長官などの要職を歴任された、いわば航空行政と観光政策のプロフェッショナルです。夏目社長も「田村氏は航空、観光政策に極めて精通しており、社長として本当に適任である」と太鼓判を押していらっしゃいます。長年の行政経験に裏打ちされた深い知見が、日本の空の玄関口である成田空港に新たな視点と活気をもたらすに違いありません。
現在、NAAの社長職を7年間務めた夏目誠氏は、JR東日本副社長などを経て2012年に就任されました。ご自身の在任期間を振り返り、「激動の世界において、航空・空港の分野に経験がなかったものの、精いっぱい職務に取り組んできた」と述べられています。この7年間で、1978年の開港以来続いていた空港利用者への検問を廃止したことや、LCC(格安航空会社:Low Cost Carrier)専用の第3ターミナルを開業・拡張したことなどを大きな功績として挙げられました。
特に、LCCのための専用ターミナル整備は、成田空港が大きな転換点を迎えた象徴的な出来事でしょう。夏目社長は「LCCが成田空港を支える大きな柱に育ってきたことに、深い感慨を覚える」と語られ、その成長を喜びとされていました。LCCは、従来の航空会社よりも低い運賃でサービスを提供するビジネスモデルであり、航空利用の裾野を広げ、旅行者に新たな選択肢を提供することで、空港の利用者を大幅に増加させる効果があります。
今回の社長人事は、夏目氏を含め2代続いた民間出身者の起用から一転し、12年ぶりに官僚OBが就任するという点も注目されています。これに対し、夏目社長は「公務員OBか民間OBかといった出身は、本質的な問題ではありません。与えられた使命や役割をいかに果たせるかに尽きるのではないでしょうか」と、あくまで実務能力と貢献意欲が重要だという考えを強調されました。
SNS上でも、「航空と観光の両方に詳しいのは心強い」「機能強化を強力に推進してほしい」といった期待の声が寄せられており、新しいリーダーへの関心の高さを窺わせます。田村氏が次期社長に就任する人事は、2019年6月25日に開催される株主総会および取締役会をもって正式に決定される予定です。長年のキャリアで培った知識と経験を活かし、田村氏がどのように成田空港の未来を切り開いていくのか、今後の動向から目が離せません。
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