2019年5月30日に函館税関から公表された4月の北海道外国貿易概況(速報)によれば、北海道の輸出額が前年同月比で34%もの大幅な減少となり、272億6600万円にとどまりました。これで、5ヶ月連続のマイナスという厳しい状況が続いています。この結果は、北海道経済の将来に一抹の不安を投げかけるものだと考えられます。特にSNSでは、「まさかこんなに落ち込むとは…」「北海道の海の幸が心配」といった、驚きと懸念の声が多く見受けられました。
この輸出額の低迷の最大の要因は、魚介類とその調製品の不振にあるようです。具体的には、輸出額が40億5300万円と、なんと約52%も半減しているのです。その背景には、道南の内浦湾(噴火湾とも呼ばれます)で深刻化しているホタテガイの不漁があります。ホタテは中国をはじめとするアジア圏に多く輸出される主力品目であり、この不漁が直ちに輸出の失速につながっている状況です。水産物の輸出が落ち込むと、漁業者だけでなく関連産業全体に影響が及ぶため、非常に憂慮すべき事態だと言えるでしょう。また、魚介類以外にも、有機化合物や鉱物性タールといった品目の輸出額も減少しています。
一方、輸入額を見てみると、状況は一転し、約24%増の1344億6700万円と、4ヶ月ぶりに前年同月を上回る結果となりました。この輸入額の増加は、主に化石燃料の輸送船の入港が相次いだことが原因です。具体的には、クウェートなどからの原油・粗油や、ブルネイおよびオーストラリアからの液化天然ガス(LNG)、さらにオーストラリア産の石炭といったエネルギー資源の輸入が活発化した模様です。これらは北海道の産業を支えるために不可欠な燃料であり、輸送船の入港が集中したことで輸入額が押し上げられたと分析できます。化石燃料は、火力発電や化学製品の原料として使われる非常に重要なエネルギー源ですが、国際情勢や資源価格の変動に左右されやすい側面を持っています。
さらに、函館税関の支署ごとの貿易額を確認すると、室蘭の輸出入額は、それぞれ前年同月の30%台にとどまっており、特に貿易活動が低調であったことが分かります。室蘭港は、鉄鋼業をはじめとする重化学工業の拠点として重要な役割を担っていますが、この数字からは、特定の産業や地域で大きな貿易の停滞が生じている可能性が示唆されます。今回の貿易概況は、北海道の基幹産業である水産物輸出の脆さと、エネルギー資源に対する高い輸入依存度を浮き彫りにしたと言えるでしょう。北海道経済の持続的な成長のためには、ホタテ不漁のような突発的な事態に左右されないよう、輸出先の多角化や高付加価値化、そしてエネルギーの多様化といった構造的な対策が急務だと強く感じます。
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