近年、日本人の平均寿命が伸長し、「人生設計」に対する考え方が世代を超えて非常に多様化しています。これに伴い、法律上の婚姻届を提出せずに共に生活を営むカップルが増加しているのはご存知でしょうか。かつては「結婚」といえば「法律婚」を指すのが一般的でしたが、伝統的な家族のあり方を否定せずとも、現代では特定の「ライフサイクルの標準形」が成立しにくい時代になったといえるでしょう。私は、この時代の変化を好機と捉え、結婚のあるいはパートナーシップのかたちの多様化を政府や社会全体で積極的に後押しすべきだと考えます。そうすることで、結果として子どもを自然と増やせる環境を育めるのではないでしょうか。
こうした時代の流れを反映し、政府は**「生涯未婚」という用語を原則使用しない方針を決定しました。この「生涯未婚率」とは、「50歳までに一度も結婚しない人の割合」を示すもので、従来の人口推計の根拠となってきた統計用語です。今後は「50歳時未婚率」といった表現に言い換えられるとのことです。晩婚化や未婚者の急増、そして長寿化の進展により、50歳を超えてから初めて結婚する方も珍しくなくなり、「生涯未婚」という言葉がもつ現実との乖離が顕著になってきました。政府のこのような言い換えの決定は、現実に即した表現への是正として非常に好意的に受け止められるべきでしょう。このニュースはSNSでも「ようやく時代に追いついた」「用語の変更だけでなく、実質的な支援も期待したい」などと、歓迎とさらなる政策への期待の声が多く寄せられています。
増え続ける「単身世帯」の未来と若者の結婚観の変化
実は、現在の日本で最も多い世帯の類型は「単身世帯」です。その割合は、直近で35%に上りますが、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2040年にはその割合が40%に達する見込みだといいます。この単身世帯の多くは高齢者であり、暮らしや介護に対する不安を抱える中で、生活のパートナーを求めるケースが増えてくるでしょう。高齢者の孤立を防ぎ、安心できる生活環境を整備するためにも、年齢を問わないマッチングの機会を充実させ、パートナーとの同居生活を社会全体で後押ししていくことが急務だと考えます。
一方で、若者の結婚観もまた多様化が進んでいる状況です。民間の調査結果によると、2019年に成人を迎えた人々のうち、「25歳までに結婚したい」と答えた男女の割合は47%に達し、これは前年より約10ポイントも上昇しているといいます。この背景には、「晩婚化」が進むことで2人目、3人目の出産が難しくなるのではないかという懸念が増していることが挙げられます。私は、若い世代が抱えるこの不安を解消するため、例えば大学内に保育所を増設するなど、学業を続けながらでも学生結婚や出産・育児を選択しやすいような環境整備も具体的な選択肢の一つとして検討すべきだと考えます。
世界と日本の「婚外子」事情から考える未来の子育て支援
より根本的な課題は、「結婚する・しない」に関わらず、「出産」と「育児」に対して不安を感じない社会環境を築き上げることでしょう。厚生労働白書などのデータによると、日本の「婚外子」の比率、すなわち法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子の割合はわずか2%です。これに対し、英国は43%、フランスは49%、スウェーデンは55%と、欧州諸国と比較すると文字通り桁違いに低い水準にあることが分かります。ちなみに、これらの3カ国は、手厚い子育て環境の整備もあり、いずれも日本の合計特殊出生率よりも高い水準を保っているのです。
日本でも、婚外子の相続における差別的な扱いは既に解消されました。次なるステップは、「子どもは結婚した夫婦が持つもの」という規範意識を社会全体で少しずつ薄めていくことではないでしょうか。子育てを楽しみにしている男女が、周囲の目を気にすることなく同居し、安心して出産・育児ができるような土壌を育てたいものです。そのためのヒントとして、フランスが導入している「PACS(パックス)」のような、婚姻に準じた権利義務を認める「結婚の試用期間」とも呼べる制度の整備などが挙げられます。さらに、夫婦が各々の姓を名乗ることを公式に認める「夫婦別姓」も、多様なパートナーシップの形を後押しし、少子化対策の一助となることは確実だと、私は確信しています。
同時に、子どもを望んでも叶えられない方々への心の配慮や、必要な支援も欠かせません。この議論の根底には、「産む・産まない」という選択は、あくまで個々人の自由な意思と選択**に基づくものであるという大前提を、私たち一人ひとりが再確認することが重要だと考えます。
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