【北海道のエネルギー戦略】北ガスが挑む!石狩湾新港での大規模風力発電事業、2021年稼働へ

北海道ガス(北ガス)が、いよいよ風力発電事業へ参入するというニュースが、2019年6月7日に発表されました。同社は新電力事業者として、再生可能エネルギーを重要な主力電源の一つに位置づけており、今回の事業は自前の電源を開発する大きな一歩となるでしょう。北海道のエネルギー供給体制、そして脱炭素社会の実現に向けて、この新たな挑戦は非常に注目されています。

計画の舞台となるのは、石狩湾新港地区です。ここに、発電出力2,350キロワットという非常に大型の風車を1基設置する予定で、2020年9月の着工、そして2021年11月の運転開始を目指しています。これに先立ち、現在、環境影響評価(アセスメント)に着手する段階に入ります。このアセスメントとは、事業が環境に与える影響を事前に調査・予測・評価する手続きのことで、大規模な開発を行う際には欠かせないステップです。この動きは、北ガスが目指すエネルギーポートフォリオの多角化、特にクリーンエネルギーへのコミットメントを明確に示すものと言えるでしょう。

設置予定地である石狩湾新港の石狩市側の区画は、北ガスにとって非常にゆかりの深い場所です。すでに同社の液化天然ガス(LNG)輸入基地があり、さらに2018年10月に稼働を開始した出力7万8,000キロワットのLNG火力発電所も立地しています。LNGとは、天然ガスを-162℃まで冷却し液体にしたもので、体積が大幅に減るため大量輸送に適しており、燃焼時に二酸化炭素(CO2)の排出量が少ないクリーンな化石燃料として知られています。すでに自前の発電施設があるこのエリアは、日本海に面していることから年間を通じて安定した風量を確保できると見込まれており、風力発電に適した好立地と言えるでしょう。

私が編集者として注目するのは、既存のLNG火力発電所と隣接する土地で風力発電を展開するという、このエネルギーミックスの戦略的な意義です。風力発電のような再生可能エネルギーは、天候によって発電量が変動する「間欠性」という課題を抱えていますが、北ガスは既に安定した電力供給源であるLNG火力発電所を保有しています。このため、風力の不安定な部分を火力発電で補完し合うことで、地域に対してより安定し、かつ環境に配慮した電力供給体制を築くことができるのではないでしょうか。これは、既存のインフラを最大限に活用しつつ、再エネ導入を加速させる非常に現実的かつ合理的なアプローチであると評価できます。

具体的な計画としては、LNG基地に隣接する北ガスの社有地の一角に風車を設置する予定です。発電した電力は、北海道電力の送電網に接続することを想定しており、そのための変電設備を新たに設置することも検討されています。このニュースは、SNS上でも大きな反響を呼んでおり、「クリーンエネルギーへの移行が加速する」「地元のエネルギー供給がより安定しそう」といった期待の声が多く聞かれます。北ガスが自社電源の開発を強化することで、地域のエネルギー自給率向上と、持続可能な社会の実現に大きく貢献することが期待されるでしょう。

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