LNG輸入開始から50年!備蓄わずか2週間という日本のエネルギー危機の現状と今後の課題

2019年11月4日、日本が液化天然ガス、いわゆるLNGの輸入を開始してから記念すべき50年を迎えました。LNGとは天然ガスをマイナス162度まで冷却して液体化し、体積を大幅に圧縮することで海上輸送を可能にしたクリーンなエネルギー資源です。現在では私たちの生活に欠かせない電力や都市ガスの主力へと成長し、その利用はアジア諸国を中心に世界40カ国以上にまで広がっています。

世界中でLNGの消費が拡大の一途をたどる中、いかに安価で安定的に調達できる環境を整えるかが、国際社会にとって極めて重要な課題となっています。他国に先駆けてこのエネルギーの大規模利用を切り開いてきた日本こそが、今後のルール作りにおいても先頭に立って取り組むべきでしょう。昨今のサウジアラビア石油関連施設への攻撃など、中東情勢の緊迫化は、特定の地域にエネルギーを依存する危険性を改めて浮き彫りにしました。

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意外と知られていない備蓄の脆弱性

世界最大のLNG輸入国である日本ですが、実は大きな弱点を抱えています。原油の約9割を中東に依存しているのに対し、LNGはオーストラリアや東南アジアなど調達先が分散しており、中東への依存度は2割弱にとどまります。一見するとリスクが低いように思えますが、最大の問題は有事に備えた確固たる備蓄の枠組みが存在しないという事実なのです。

石油に関しては国際的な取り決めによって230日分以上の備蓄が義務付けられていますが、電力やガス会社が保有するLNGの在庫は、なんとわずか2週間分程度しかありません。この事実はSNS上でも話題となっており、「たった2週間でガスが止まるなんて恐ろしすぎる」「エネルギー政策の甘さを感じる」といった驚きと不安の声が数多く上がっています。

有事に備えたアジア全体の連携と新しい市場整備

もしホルムズ海峡が封鎖されるような事態になれば、瞬時に代替燃料を手配しなければなりませんが、LNGの取引は中長期契約が主流であり、柔軟な対応が非常に困難です。今後、アジア地域のLNG需要は2050年までに現在の1.8倍に膨れ上がると予測されています。だからこそ、緊急時に備えた安定供給のネットワークをアジア全体で構築していくことが急務と言えるでしょう。

解決策の一つとして、アメリカからの「シェールガス」由来のLNG輸入に期待が寄せられています。シェールガスとは、地下深くの硬い岩盤層から採取される新しいタイプの天然ガスで、供給元の多様化に大きく貢献します。また、必要な時に必要な量だけを取引できる「スポット市場」を整備し、契約の縛りをなくして自由に転売できるような柔軟な市場環境を作っていくことが求められます。

エネルギー資源に乏しい日本が厳しい国際社会を生き抜くためには、受け身の姿勢ではいけません。万が一の危機において、消費国同士がLNGを融通し合えるような画期的なシステムを日本が主導して提案していくべきだと、私は強く主張します。50年という節目を単なる記念日で終わらせず、次世代に向けた強靭なエネルギー安全保障体制を築くための新たなスタートラインにしなければならないのです。

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