2019年11月13日現在、日本政府による安全保障上の理由を背景とした韓国向けの輸出管理厳格化などにより、日韓関係はかつてないほどの冷え込みを見せています。この両国間の政治的な対立は、輸出入に関わる多くの企業経営に暗い影を落としているのが現状です。
しかし、こうした強烈な逆風の中にあっても、韓国との取引割合が高い企業の株価が上昇するという極めて興味深い現象が起きています。株式市場の最新データをもとに、韓国向け売上高比率が1割以上の企業を対象とした2019年3月末からの株価上昇率ランキングを見てみましょう。
半導体関連がランキング上位を圧倒的に独占
驚くべきことに、上昇率上位の顔ぶれを見渡すと、半導体に関連する企業が圧倒的な存在感を示していることが分かります。上位10社のうち、なんと7社を半導体関連銘柄が占める結果となりました。この背景には、次世代の通信規格である「5G」の本格的な普及が強く影響していると考えられます。
5Gとは、これまでのスマートフォン通信よりも圧倒的なスピードと大容量、そして遅延のなさを実現する「第5世代移動通信システム」のことです。この革新的な技術を牽引役として、一時的に落ち込んでいた半導体市況が再び回復に向かうのではないかという期待感が、投資家の間で急速に広がっているのでしょう。
躍進するトップ企業群とその隠された強み
見事ランキング1位に輝いたのは、半導体検査装置を手掛けるホロンです。同社は「フォトマスク」と呼ばれる、半導体の微細な回路をウェハーに焼き付けるための原版を作る装置の検査に強みを持っています。これは写真のネガフィルムのような役割を果たす、極めて精密な部品の製造に欠かせない技術となります。
ホロンは、この主力のフォトマスク用製品の新たな注文が韓国以外の地域で大きく伸びている模様です。その絶好調ぶりは数字にもはっきりと表れており、直近の2019年11月7日には、2020年3月期の通期業績予想をさらに引き上げるというポジティブな発表を行いました。
続く2位にはアドバンテスト、3位にTOWA、4位にサンケン電気と、日本の技術力を代表する半導体関連企業が堂々と名を連ねています。また、7位にランクインした東京エレクトロンも、半導体製造装置の受注状況が力強く上向いていることを理由に、通期の利益見通しを上方修正したばかりです。
5位に入ったJCUのダイナミックな動きも見逃せません。スマートフォンの性能が飛躍的に向上する中、電子回路の基板を作るために不可欠な「銅メッキ薬品」の需要が世界中で急増しているとのことです。最新の通信機器の心臓部を陰で支える高度な化学技術が、市場から高く評価されている証拠と言えるでしょう。
SNSの反響と編集者が見る本質的な投資の視点
この意外なランキング結果についてSNS上では、「政治関係が最悪なのに株価が上がるとは驚きだ」といった驚嘆の声が相次いでいます。また、「日本の半導体関連の底力を見た気がする」「やはり5G関連の銘柄は強い」と、最先端技術の将来性に熱い期待を寄せるコメントも数多く見受けられました。
私個人としても、この市場の反応は非常に示唆に富んでいると感じます。連日のように報道される政治的な摩擦という表面的なニュースだけにとらわれていては、グローバルビジネスの真の潮流を見誤ってしまう危険性があるのではないでしょうか。国と国との関係がどうであれ、優れた先端技術に対する需要は止まりません。
世界中の人々がより豊かで便利な生活を求める限り、それを根底から支える半導体や通信インフラの技術は常に渇望され続けます。今回の上位銘柄の躍進は、一時的な逆風をものともしない、日本企業が持つ確かな技術力と競争力の証明であると私は確信しています。投資の本質的な価値は、まさにここにあると言えるはずです。
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