2019年も残すところあとわずかとなりましたが、世の働く女性たちは自身の環境変化をどのように捉えているのでしょうか。人材サービスを展開するビースタイルが、2019年11月13日から2019年11月22日にかけて実施したアンケート調査によれば、驚くべきことに主婦層の約7割が「働きやすくなった実感がない」と回答しています。社会全体でワークライフバランスの重要性が叫ばれている一方で、現場を支える女性たちの本音は依然として厳しいようです。
この調査は、求人媒体「しゅふJOBパート」の利用者など725人を対象に行われました。「2019年は前年よりも働きやすくなった」と感じている人はわずか30%に留まっており、改革の波が家庭を持つ女性たちにまで十分に浸透していない現状が浮き彫りになっています。SNS上でも「制度はあっても使いづらい」「結局、周囲の理解が変わらなければ意味がない」といった、切実な声が数多く寄せられているのが印象的です。
キャリアの選択肢は広がるも立ちはだかる壁
一方で、ポジティブな変化の兆しも見え始めています。働きやすさを実感している層にその理由を尋ねたところ、最も多かったのは「働く女性の数が増えたこと」で65%に達しました。さらに、産休・育休制度やテレワークといった「制度の充実」を挙げる人も44%に上ります。こうした制度は、場所や時間に縛られずに業務を行う「柔軟な働き方」を支える柱であり、着実に社会の基盤として整備されつつあるといえるでしょう。
また、2019年がどのような年だったかという問いに対しては、「転職や在宅ワークなど、自由にキャリアを選べるようになった」との回答が38%で最多となりました。しかし、妊娠や出産を理由に不当な扱いを受ける「マタハラ(マタニティハラスメント)」や、深刻な保育園不足によって「働き続けるのが難しくなった」と感じる人も27%存在します。前年より数値は改善しているものの、依然として構造的な課題が解決されていないことが分かります。
私個人の見解としては、企業側が「制度を整えただけで満足している」点に大きな課題があると感じます。どれほど優れたリモートワークのシステムを導入しても、上司や同僚の意識が変わらなければ、主婦層が引け目を感じずに働くことは困難です。真の意味で女性が活躍できる社会を作るには、数値上の達成だけでなく、心理的安全性を確保するための地道な文化醸成が不可欠なのではないでしょうか。
2020年は「女性の価値」が認められる年に
未来に目を向けると、2020年への期待感は高まっています。来年の予測として「より自由にキャリアを選べるようになる」と答えた人は45%にのぼり、半数近い女性が前向きな変化を予見しているのです。さらに「企業が女性の労働力の価値をさらに認める年になる」と期待する声も多く、労働力不足が深刻化する中で、主婦層の持つスキルや経験がこれまで以上に正当に評価される時代がやってくると考えられます。
調査を担当した、しゅふJOB総研の川上敬太郎所長は、実感の乏しさについて「本人が望む形で、かつ無理なく働けている実例がまだ不足している」と分析しています。単に「働ける」だけでなく、本人のキャリアプランに合致した「本意型」の就業モデルが増えていくことが、実感値を引き上げる鍵となるでしょう。2020年こそは、多くの女性が心から「働きやすい」と笑顔で語れる社会になることを願ってやみません。
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