2019年12月13日現在、さくらインターネットは驚異的なスピードで進化を続けています。かつてリストラを乗り越え最高益を達成しながらも、売上高100億円の壁を前に足踏みしていた時期がありました。田中邦裕社長は当時、安定志向の低い成長率を追う日々に、自らの存在意義を見失いかけるほどの葛藤を抱えていたそうです。
そんな折に転機となったのは、ベンチャーキャピタリスト原丈人氏との出会いでした。顧客や社員の幸せを追求することが結果的に株主の利益に繋がるという教えは、田中社長の経営観を根本から変えることになります。再び「2ケタ成長」という高い目標を掲げ、同社は攻めの姿勢へと転換を図ったのです。
SNS上では、この経営判断に対して「安定に甘んじない姿勢がカッコいい」「社長自ら限界を突破しようとするエネルギーに共感する」といった熱いコメントが寄せられています。特に、エンジニアが主役となれる環境作りに注力する姿勢が、多くのクリエイターから支持を集めているようです。
「人事部長」を兼務した社長が断行した200名の大量採用
2014年、田中社長は自ら人事部長のポストを兼ねるという異例の決断を下しました。企業の成長を阻む壁が「人」にあるならば、正攻法で仲間を増やすべきだと考えたからです。まだ社員が260名ほどだった2015年に、なんと90名近いエンジニアを確保し、翌2016年にも約100名を採用するという大胆な攻勢に出ました。
この採用活動において強調されたのが「自社サービス開発」の魅力です。誰かに指示された通りに作る「受託」ではなく、自分たちの手でサービスを育て上げる喜びを直接訴えかけました。田中社長自ら何百もの人材紹介会社を奔走したというエピソードからは、人にかける並々ならぬ情熱が伝わってきます。
こうした動きにネットでは「社長自らリクルーティングに動く会社は強い」「エンジニアを単なる労働力ではなく、価値を生むパートナーとして見ている」と驚きと称賛の声が上がっています。まさに、会社という器を広げるために、まず「人の力」を最大化することを選んだのでしょう。
「やりたい」を「できる」に変える!自由すぎる新制度の衝撃
全社員との対話から生まれたスローガンが「『やりたい』ことを『できる』に変える」です。これを体現するため、2019年現在の同社では、働く時間も場所も自由という画期的な人事制度が運用されています。驚くべきことに、在籍したまま他社で働いたり、自ら起業したりすることさえ認められているのです。
こうした制度は、会社に縛り付けるのではなく、個々人が幅広いキャリアを築くことで、結果的に会社に余力が生まれるという考えに基づいています。クラウドサービスが成長を牽引し、2015年度から継続して売上高2ケタ増を記録している事実は、この自由な社風が正解であったことを証明しているのではないでしょうか。
私個人としても、この「副業・起業推奨」という姿勢には非常に感銘を受けます。社員が外の世界で得た知見を持ち帰ることは、組織の硬直化を防ぐ特効薬になります。優秀な人材を「囲い込む」のではなく、外でも通用するプロとして「送り出す」度量こそが、現代のIT企業に求められる本質的なリーダーシップだと確信しています。
宇宙ビジネスへも進出!高専時代から続く「ワクワク」の連鎖
さらに2019年には、経済産業省の事業として衛星データプラットフォーム「Tellus(テルース)」をスタートさせました。これは、宇宙から見た気象や地形、地表温度などの膨大なデータをクラウド上で誰でも解析できる画期的な仕組みです。専門的な知識が必要だった宇宙データを民主化することで、日本発の新しいビジネスが次々と誕生するでしょう。
田中社長の根底にあるのは、高専(高等専門学校)時代から抱き続けている「ワクワクしたい」という純粋な好奇心です。高専とは、中学卒業後から5年間にわたり実践的な技術教育を行う教育機関ですが、そこで培われた「ものづくりの楽しさ」が、今の巨大なクラウドインフラを支える原動力となっています。
経営者となった今、田中社長は「自分一人がワクワクするのではなく、社員全員がワクワクすることで会社は成長する」と語ります。一人ひとりの「やりたい」が形になる未来。さくらインターネットが描くそのビジョンは、日本のIT業界全体を明るく照らす、希望の光のように感じられます。
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