さくらインターネット田中社長が語る!舞鶴高専で芽生えた「ワクワク」が上場企業を生むまでの軌跡

「もの作り」への情熱がほとばしる若者が集う場所、それが高等専門学校、通称「高専」です。さくらインターネットの代表取締役社長、田中邦裕さんは、まさにその高専という環境で才能を開花させた一人といえるでしょう。1996年の在学中に創業した同社は、現在では東証一部に上場する日本屈指のサーバー事業者へと飛躍を遂げました。その成長を支え続けているのは、田中さんが学生時代に肌で感じた、理屈抜きに突き動かされるような「ワクワク感」なのです。

2019年12月09日、田中さんは自身の原点を振り返り、現在も母校である舞鶴高専との交流を大切にしていることを明かしました。同年5月から6月にかけては、小学生向けのプログラミング教室を共同開催したそうです。「身の回りのあらゆる機械にプログラムが組み込まれていること、そしてそれを作る喜び」を次世代に伝える田中さんの姿は、単なる経営者の枠を超え、技術を愛する一人の先輩としての優しさに満ち溢れていました。

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自由と自律が生み出す、趣味の延長線上にあるイノベーション

田中さんは現在、国立高等専門学校機構の委員として、運営面でも積極的に提言を行っています。高専の魅力は「自由な校風」にありますが、トラブルをルールで縛ろうとする風潮には警鐘を鳴らしています。自由には自律が伴うべきであり、生徒や教員の自主性を信じることこそが、豊かな創造性を育む土壌になるという信念をお持ちです。この考え方は、SNSなどでも「ルールで縛りすぎない教育こそが必要だ」と、多くの教育関係者や卒業生から共感を集めています。

田中さん自身の高専生活は、まさに多才そのものでした。プログラミングはもちろん、電子工作やNHKのロボコンへの挑戦、さらには吹奏楽にまで打ち込んでいたといいます。ここで「サーバー」という概念について補足すると、これはインターネット上でデータやサービスを提供する専用のコンピューターを指します。自分のホームページを作るために研究室へ設置したサーバーを友人に貸し出したことが、後の巨大ビジネスの第一歩となった事実は、まるで映画のようなエピソードです。

当初、サーバーの維持費を賄うために始めた有料のレンタル事業は、儲けよりも「皆に楽しく使ってもらいたい」という純粋な動機から出発しました。趣味の延長で始まったビジネスゆえに、サーバーが停止することを恐れて研究室に泊まり込む日々もあったそうですが、その必死さすらも「ワクワク」の一部だったのでしょう。このように、純粋な好奇心が収益モデルへと自然に昇華していく過程は、スタートアップを志す若者にとって非常に勇気づけられるストーリーです。

高専生のポテンシャルを「使いつぶさない」日本の未来へ

しかし、田中さんは現状の日本の産業界に対して、強い危機感も抱いています。高専生は5年から7年にわたる専門教育を受け、一般的な大学生を凌駕する深い知識と実践力を備えています。本来であれば企業の中核を担うリーダー候補であるはずですが、残念ながら一部の企業では「即戦力の作業員」として型にはめられ、その才能を摩耗させてしまうケースが散見されるといいます。これは日本の産業界にとって、極めて大きな損失ではないでしょうか。

「ワクワク感を共有できる高専生をたくさん採用したい」と願う田中さんの言葉には、技術者が自らの意志で楽しみながら働くことの大切さが込められています。高専時代の自由な空気の中で育まれた「自律の精神」を、社会に出てからも失わずに済む環境作りが求められています。私自身の意見としても、若者の「やってみたい」という初期衝動を尊重する文化こそが、停滞する日本経済を再起動させる鍵になると確信しています。

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