ネット進出するNHKの肥大化に懸念の声!民放や動画配信サービスへの影響と今後のメディア業界はどうなる?

1950年6月1日に施行された放送法によって、特殊法人として位置づけられているNHKは、一般的な企業とは異なる大きな優遇措置を受けています。法人税を支払う義務がなく、納めているのは地方税の一部のみという特別な環境にいるのです。さらに、最高裁判所が受信料制度を憲法に適合すると判断したことも追い風となり、受信料による収入は増加傾向をたどっています。

こうした圧倒的な資金力を持つNHKがインターネット事業をなし崩し的に強化していくことに対して、メディア業界からは強い警戒感が漂い始めました。ネットの世界にまでその巨大な影響力が及ぶと、せっかく芽生え始めたネット発の新興サービスや民間放送局(民放)の成長を阻害してしまう恐れがあるからです。SNS上でも「ただでさえ受信料が高いのにネットまで独占されたらたまらない」といった困惑の声が広がっています。

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民放連からも苦言!ネット業務費用に課された制限と現状の課題

状況を重く見た総務省は、NHKのネット業務費用を受信料収入の2.5%以内に抑えるというルールを設けました。しかし、民放側の危機感は依然として消えていません。日本民間放送連盟の大久保好男会長も、組織が不必要に巨大化しないよう、節度を持って運営してほしいと切実な要望を口にしています。これに対してネット上では「民放のビジネスモデルが崩壊するのでは」という同情的な意見も多く見られました。

インターネットでの同時配信をスタートさせるにあたり、NHKは民放との連携を強く求められることになります。その対策として、2019年8月には在京民放5社が共同で運営している動画配信サイト「TVer(ティーバー)」への参加を果たしました。ただし、現時点で提供されている番組はごく一部にとどまっており、本格的な協力体制が構築できているとは言い難いのが実情でしょう。

世界の動画配信トレンドと日本国内における新興メディアへの脅威 ここで「公共放送」という言葉について分かりやすく解説しておきます。これは国家の統制を受けず、また営利も目的としない、公共の福祉のために設立された放送局のことです。この公共放送がどれほどの力を持っているかによって、その国のメディア産業の形は大きく変わります。たとえば影響力が比較的弱いアメリカでは、民間の動画配信サービスが独自の進化を遂げて急速に台頭しました。 これとは対照的に、公共放送であるBBCが圧倒的な強さを誇るイギリスでは、BBCと最大手の民間放送局であるITVがタッグを組み、新たな動画配信サービスを開始するなどの大きな地殻変動が起きています。日本でも近年、動画プラットフォームを手がける新しい企業が次々と誕生しており、元LINE社長の森川亮氏が立ち上げた「C Channel(シーチャンネル)」などが若い女性を中心に熱い支持を集めているところです。 編集部EYE:公正な競争環境こそが日本のエンタメを豊かにする

ここからは筆者個人の見解となりますが、NHKのネット事業拡大には慎重であるべきだと考えます。潤沢な受信料を原資にしたコンテンツがネット上に溢れてしまえば、広告収入や課金モデルで必死に戦っている民間企業や新興ベンチャーが太刀打ちできなくなるのは火を見るより明らかです。多様でクリエイティブなメディア環境を守るためにも、明確な境界線を引くべきでしょう。

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