近年の日本は、毎年のように激甚化する自然災害に見舞われています。このような状況下で、大切な会社や従業員の雇用を守るための「備え」が今、激しく求められているのをご存知でしょうか。2020年1月24日、近畿経済産業局と大阪府は、中小企業の「BCP(事業継続計画)」の策定を力強くバックアップするため、全国初となる画期的な連携協定を締結しました。これにはSNS上でも「国と自治体が組むのは心強い」「うちの会社もそろそろ真剣に考えないと」といった前向きな声が数多く寄せられ、大きな注目を集めています。
そもそもBCPとは「Business Continuity Plan」の略称で、日本語では「事業継続計画」と訳されます。万が一、大地震や台風などの緊急事態に直面した際、企業が核心となる事業を途絶えさせず、もし中断しても最短で復旧させるための具体的な手順をまとめたマニュアルのことです。これがあるかないかで、災害時の企業の生存率は劇的に変わるため、まさに現代を生き抜くビジネスサバイバル術といっても過言ではないでしょう。今回の取り組みは、その重要性を広く周知させるための第一歩なのです。
しかしながら、現状に目を向けると厳しい現実が浮き彫りになります。大阪商工会議所が2019年に実施した調査によると、資本金3億円以下の中小企業において、BCPを「策定済み」と答えた割合は、わずか13%という低い水準にとどまりました。これほど導入が進まない背景には、日々の業務に追われる深刻な「人手不足」や、専門知識を持った人材がいないという「ノウハウの欠如」が大きく影を落としています。日々の経営で手一杯になり、未来のリスクまで手が回らないのが現場の本音でしょう。
だからこそ、今回の行政による主体的なアプローチには大きな価値があります。両者はさっそく2020年2月に、BCPの普及と促進を目指した共同セミナーを大阪市内で開催する予定です。このイベントでは、防災・減災の計画が国に認められた企業が受けられる特別な税制優遇制度が紹介されます。さらに、事業継続のために最低限クリアすべきポイントを凝縮した大阪府オリジナルの「簡易シート」の活用も提案される見込みで、ハードルの高さを感じていた経営者にとって、これ以上ない救世主となるはずです。
私はこの施策に対し、中小企業の背中を押す素晴らしい英断であると確信しています。大企業に比べてリソースの限られる中小企業が、自力だけで完璧な防災計画を作るのは極めて困難だからです。税制面でのメリットという「アメ」と、誰でも簡単に始められるシートという「武器」をセットで提供する手法は、非常に実効性が高いと感じます。災害が起きてから後悔しても遅すぎます。この絶好の機会を捉え、多くの企業が未来への投資として最初の一歩を踏み出すことを、切に願ってやみません。
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