2019年12月18日現在、自動車業界は大きな転換期を迎えています。世界中のメーカーが燃費性能の向上や環境負荷の低減を模索する中、日本が誇る化学・製紙メーカー各社が、驚異的な新素材の開発でしのぎを削っているのをご存知でしょうか。
その主役こそ、大王製紙などが実用化を進める「セルロースナノファイバー(CNF)」です。植物のパルプを10億分の1メートルという究極の細さにまで分解して作られるこの素材は、まさに未来の資材と呼ぶにふさわしいポテンシャルを秘めています。
この素材の特筆すべき点は、その驚異的なスペックにあります。重さは鉄のわずか5分の1でありながら、強度はその5倍という、物理の常識を覆すような特性を持っているのです。軽さと強さを両立させることは、自動車の進化において永遠の課題と言えるでしょう。
SNS上でも「木から車ができるなんて信じられない」「日本のお家芸である素材技術が世界を救うかも」といった期待の声が広がっています。単なる研究段階を過ぎ、2019年には日本のレーシングチームが実際にCNF製のボンネットやドアを採用し、過酷な走行環境でのテストが始まっています。
大手製紙メーカーが挑む「脱・紙」のイノベーション
CNFの開発は2000年代から着々と進められてきました。大王製紙や日本製紙は2013年から試験的な生産を開始しており、今やその技術は量産車への搭載を見据えた現実的なフェーズへと突入しているのです。
さらに、王子ホールディングスもこの流れを加速させています。同社は樹脂とCNFを組み合わせた複合素材の開発に注力しており、今後10年以内に200億円規模の売上を目指すという強気な姿勢を見せており、業界の注目を集めています。
素材革命はCNFだけにとどまりません。帝人が開発するポリカーボネート樹脂は、従来のガラスに代わる窓素材として期待されています。車体が軽くなれば、それだけエネルギー効率が向上し、地球環境にも優しい「理想の車」へと近づくことができるはずです。
私個人の意見として、この日本の素材技術は、電動化が進む自動車産業において最大の武器になると確信しています。電池の重さを車体の軽量化で相殺できれば、電気自動車の航続距離は飛躍的に伸びるでしょう。日本の技術者が紡ぐ「植物の力」が、世界を驚かせる日はすぐそこまで来ています。
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