男子ゴルフの日本ツアー開幕戦「SMBCシンガポールオープン」が2020年01月に開催されましたが、日本勢は最高位が6位という悔しい結果に終わりました。今年で5回目を迎えた同大会ですが、いまだに日本人王者は誕生していません。過去にアジアツアーとの共催大会で頂点に立ったのは、2008年05月のパインバレー北京オープンを制した藤田寛之プロを含めてわずか2人だけという厳しい現実があります。国内初戦を4月に控え、まだオフの空気感が残る準備不足もあったのかもしれませんが、最大の敗因はコースの違いにあるようです。
藤田プロが4年前に初めて舞台となったセントーサGCを訪れた際、その圧倒的なディスタンスと難易度に衝撃を受けたといいます。海や池が間近に迫り、配置された砂の障害物であるバンカーも厄介で、ひとつのミスも許されない緊迫感に満ちていました。さらに、日本の沖縄でしか見られないようなバミューダ芝のグリーンは、アンジュレーションと呼ばれる複雑なうねりや傾斜が激しく、攻略は困難を極めます。ネット上でも「日本ツアーの方がレベルが高いと思っていたけれど、完全に認識を改めた」という驚きの声が上がっています。
近年、アジアのゴルフ界では若くて優秀なプレーヤーが次々と台頭しており、その選手層の厚さは日本を凌駕していると藤田プロは分析します。その背景には、ここ10年から20年の間に新設された、戦略性に富んだダイナミックなコースの存在があるでしょう。ティーショットの落下地点を狙い澄ましたかのように配置されたバンカーなど、高い技術と正確性を試される設計が、選手たちのポテンシャルを自然と引き出しているのです。SNSでは「世界で戦うには、こうした厳しい環境に身を置くことが不可欠だ」と共感するファンが続出しています。
一方で日本のクラシカルなゴルフ場は、グリーンの美しさや管理の質こそ世界屈指ですが、フェアウェイが狭く、コース外のペナルティエリアを示すOB杭が多すぎる傾向にあります。これではパワーよりも、低い球で曲げずに運ぶ正確性ばかりが求められてしまいます。これに対してアジアのコースは、飛距離がなければ攻略できない設計になっているため、選手たちは自然とダイナミックに飛ばすスイングを身に付けていくのです。世界と戦う基準が、コースの設計そのものによって作られていると言っても過言ではありません。
さらに海外の硬いフローリングのような地面と、高麗芝でボールが浮く絨毯のような日本の環境では、アイアンショットの打ち方やスピンのコントロール技術に大きな格差が生まれます。こうした環境の差を目の当たりにすると、日本ツアーが本気で世界に通用するスターを育てるためには、トーナメントコースの大胆な改修が急務であると感じずにはいられません。ゴルフ場の営業面を考慮すると簡単なことではありませんが、現在の世界的なトレンドであるパワーゴルフに対応するため、OB杭を抜いてフェアウェイを広げる改革が必要不可欠です。
素晴らしいナイスショットと、わずかなミスショットの差がスコアにはっきりと反映されるような、エキサイティングなレイアウトへの変革が期待されます。コースという環境こそが、次世代の強いアスリートを育てる最高の教科書になるはずです。
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