2019年4月27日から5月9日までの期間に、未来を担うスタートアップ企業が続々と大規模な資金調達を実現したことが明らかになりました。特に注目を集めているのは、人工知能(AI)を活用した医療機器の開発に取り組むアイリスです。同社は第三者割当増資によって、12億5000万円という巨額の資金を調達しました。引受先には、大手製薬会社の塩野義製薬やビヨンドネクストベンチャーズが名を連ねています。
アイリスは、AI技術を用いてインフルエンザの早期診断をサポートする医療機器を開発している企業です。この度の調達資金は、製品の実用化に向けた臨床試験や、さらなる開発費用に充当される見込みです。また、塩野義製薬とは資本業務提携も締結しており、アイリスが開発するインフルエンザ診断支援AI医療機器の将来的なライセンス契約に関して、塩野義製薬が優先交渉権を得るという戦略的な連携を築いています。医療現場の効率化と早期治療への貢献が期待されるこのニュースは、SNSでも「AIが医療を変える」「塩野義との提携で一気に実用化が進みそう」といった、未来への期待を示す好意的な反響が寄せられています。
また、購入型クラウドファンディングを運営するCAMPFIREも、11億5000万円という大規模な資金調達を実施しました。引受先は、KDDI新規事業育成3号投資事業有限責任組合などです。CAMPFIREはこの資金を、主力サービスである購入型クラウドファンディングの海外展開や、2019年春に立ち上げを予定している融資型クラウドファンディング事業の開始などに充当するとしています。融資型クラウドファンディングとは、インターネットを通じて、お金を借りたい企業や個人と、お金を貸したい投資家を結びつける仕組みのことで、ソーシャルレンディングとも呼ばれています。より多くの人々が資金調達や投資に参加できるプラットフォームの進化に、大きな注目が集まると予想されます。
クリーンエネルギーとAIソリューションで未来を切り拓く
発電所・電力設備分野では、台風などの強風下でも安全に発電可能な「垂直軸型マグナス式風力発電機」を開発するチャレナジーが、約5億円の資金調達に成功しています。調達先には、THKや第一生命保険、小橋工業、スカパーJSATといった幅広い業種の企業が参画しています。同社は、実証実験を進めている定格出力10キロワット機の改良のほか、フィリピンでの量産機の建設、そして2020年の量産販売開始に向けたサプライチェーン、つまり製品の企画・開発から消費者に届くまでの全ての流れを指す「供給連鎖」の構築に資金を投じる方針です。世界的なクリーンエネルギーへの需要の高まりを背景に、技術革新を続けるチャレナジーの動向は、国内外から熱い視線を浴びるでしょう。
さらに、映像解析AIの分野で注目を集めているのがフューチャースタンダードです。同社は第三者割当増資により、約4億円を調達しました。調達資金を元手に、映像解析AIの導入を支援するコンサルタント人材と、プラットフォーム開発に携わる人材を大幅に拡充するとのことです。これにより、企業の映像解析AIサービス立ち上げ・展開を強力にサポートできる体制を強化する考えです。AIを活用した画像・映像解析技術は、小売店の顧客行動分析や工場での異常検知など、多様なビジネスシーンでの活用が期待されており、今後の市場拡大は間違いありません。同社の動きは、企業のAI導入を加速させる重要な一歩になるでしょう。
物流・働き方改革を支えるスタートアップにも投資集中
物流業界向けパッケージソフトを提供するHacobu(ハコブ)も、アスクルやソニーを引受先として4億円の資金調達を実現しました。Hacobuは、この資金を使い、プロダクト開発体制やセールス体制、そしてカスタマーサクセス、つまり顧客が製品やサービスを通じて成功を収められるように支援する体制の強化に取り組む計画です。物流業界の非効率性の解消を目指す同社のシステムは、業界の働き方改革に貢献すると期待できます。
また、働き方改革を支援する事業を展開するキャスターも、Gunosy CapitalやSMBCベンチャーキャピタル4号投資事業有限責任組合などから、約3億6000万円を調達しました。この資金は、採用強化や法人向けマーケティング強化への投資に充てられます。時間や場所にとらわれない新しい働き方を提案するキャスターの事業は、現代社会の多様なニーズに応えるものであり、企業活動を円滑に進める上で欠かせない存在になっていくことでしょう。そのほか、カジュアルレストラン運営のウェリコが3億円、競技プログラミングコンテストを運営するAtCoderが約3億円、医療システム開発の**HoloEyes(ホロアイズ)**が約2億5000万円を調達するなど、様々な分野のスタートアップが成長へのアクセルを踏み込んでいる状況です。
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