🎨世界に一つだけの芸術!日傘作家ひがしちかさんが描く「コシラエル」の魅力と愛着を紡ぐ手仕事

一点物の日傘を制作するアーティスト、ひがしちかさんが手掛けるブランド「コシラエル」が、今、静かに注目を集めています。ひがしさんが生み出す傘は、単なる雨具や日よけの道具にとどまらず、まさに持つ人の心を満たすアート作品なのです。彼女は、白い傘生地をキャンバスに見立て、下描きなしで無心に筆を走らせるといいます。「ゴールを決めて描くのではなく、どこで筆を止めるか分からないライブ感が好き」と語る彼女の創作スタイルは、その自由さから予期せぬ美しさを生み出しているのでしょう。

手描きや刺繍(ししゅう)を施した日傘は、その柄に合わせて、持ち手(ハンドル)や傘を閉じた時に使うベルト、ボタンまで一点ずつ丁寧に吟味されます。持ち手には、天然木やアクリル樹脂といった素材が用いられ、熟練の職人の手仕事によって仕上げられています。また、ボタンにはアンティークボタンを多数扱う専門店で選び抜かれたものが使われるなど、細部にまで強いこだわりが光ります。こうした手仕事の結晶が、「コシラエル」の傘に唯一無二のオーラを与えているのです。

「コシラエル」というブランド名は、古来より日本語にある「拵(こしら)える」という言葉に由来しています。これは、ただ作るだけでなく、何かに手を加え、整え、完成された状態にするという意味を持つ言葉です。まさに、手仕事の集合体として完成するひがしさんの傘にぴったりの、奥ゆかしいネーミングといえるでしょう。この哲学のもと、日傘は税抜き33,000円から40,000円、雨傘は20,000円前後が売れ筋となっており、晴雨兼用や折り畳み傘なども手掛けられています。

雨傘の場合には、ひがしさんが描いた絵やコラージュ(複数の素材を貼り合わせて一つの作品にする技法)を基に原画を作成し、ポリエステル100%の生地に印刷されます。さらに、超はっ水加工(高いレベルで水を弾く加工)が施され、機能面にも配慮されています。特筆すべきは、傘生地を不規則に裁断することで、同じ原画を用いていても一本一本異なる仕上がりになるという点です。これにより、量産品にはない個性と特別感が生まれているのです。

2019年6月5日現在、インターネット上では、「まるで絵画を持ち歩いているみたい」「一生ものの傘として大切に使いたい」といった反響が見受けられ、単価は安価ではないものの、その芸術性と愛着の持てる品質に強く惹かれる読者が多いことが伺えます。安価なビニール傘が街に溢れる現代だからこそ、ひがしさんが貫く「捨てられない傘、忘れたら取りに行く傘を作りたい」という信念は、消費者がモノを大切にするという価値観を見直すきっかけを提供していると考えられます。

長崎県出身のひがしさんは、ファッションに興味を持ち、東京の文化服装学院で学んだ後、アパレル業界などに就職されました。しかし、「他の働き方がしたい」との思いから、20代後半で仕事を辞め、独学で日傘作りを始められたそうです。シングルマザーとして子育てをされていた当時、「子供を育てること」「好きな絵を描くこと」「目の前にあったミシンと裁ちばさみ」という三つの要素が一つになったことが、傘作りへと彼女の背中を押したと振り返っています。この時の、自分にしかできないことを追求した姿勢が、現在の独創的な作風につながっているのでしょう。

2010年に「コシラエル」を立ち上げ、描いた日傘を手に様々な方面への売り込みを続ける努力が実を結び、やがてミュージアムショップに展示されるなどして、事業は軌道に乗り始めました。その後、2015年には東京・清澄白河に、2017年には神戸市に直営店を開業し、独創的な傘だけでなく、スカーフなどの制作販売も手掛けています。さらに、2017年には生活と仕事の拠点を長野県に移し、現在は夫と3人の子供に囲まれて創作活動を続けていらっしゃいます。自然豊かな新天地は「新たな創作意欲が湧く」場所だと語られており、今後もこの地から、唯一無二の傘の花が咲き続けることでしょう。また、「コシラエル」では、購入後のクリーニングや修理にも対応しており、長く愛用できるという点も、環境に配慮したサステナブルな消費の観点から、非常に評価できる点だと思います。

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